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車椅子電車評論家・アシトド松井
お城めぐりにつきましては、以前HPを作っておりましたのでご案内します。下記の☞をクリックしてお楽しみいただければ幸いです。
☞車椅子で行く日本全国のお城めぐり旅行(1994年から2013年ごろの記事です)
2023年初春、簡易電動車椅子利用者単独で京都方面からJR在来線・新快速電車に乗って、JR大阪駅で大阪環状線の列車に乗り換え、大阪城公園駅で下車。大阪城公園を散策ののち大手門から城の西側にぬけて、大阪メトロ「谷町四丁目駅」から「東梅田駅」そして梅田地下街を通って阪急大阪梅田駅から阪急長岡天神駅へ勝龍寺城公園に向かいます。
最初に鉄道路線図をおかりして、今回の「車椅子で行く大阪城と周辺鉄道めぐり」の旅で利用した駅等のだいたいの位置関係をご理解いただければと思います。
今回は短時間に大阪城・勝龍寺城を巡り、JR~大阪メトロ(大阪市営地下鉄)~阪急電車の旅を楽しもうという、車いすの乗り鉄・城マニア絶賛の行程です。
そんなやつおるんかい!
ここからの車椅子旅行記は2023年に著者が訪れたときの状況に基づいています。
JR電車で大阪駅で乗り換え大阪城公園駅に向かいます
京都方面からJR大阪駅に向かって新快速電車に乗車します。この区間は複々線ということもあり、高速運転が行われており速度計は時速130キロを示していました。
JR大阪駅で乗り換え、エレベーターを使い大阪環状線ホームに移動します。
JR大阪駅・大阪環状線ホームには当初より荷物用エレベーターが無く。2003年東側に小型のエレベーター設置されるまでは、エスカレーターを乗り継いだり、階段を担いでもらったりと車椅子での利用は困難でした。
JR大阪環状線の車内車窓より
途中で「JR京橋駅」を通ります。JR京橋駅は東西線・学園都市線そして京阪電車、大阪メトロなどへの乗り換え駅で、京阪電車のPRによると「ヒガシ」とよばれる繁華街です。エレベーター設置当初JR京橋駅はホームによっては5回もエレベーターを乗り継がなければならずホームの端から端まで移動しなければならなかったため、裁判が起こされたことでも知られています。現在は大幅に改善されていました。
JR大阪城公園駅に着きました
JR大阪城公園駅はエレベーター、車椅子・オストメイト対応フル規格トイレ完備。大阪城の東側にあり、改札口すぐからの歩道橋を渡ると
JOーTERRACE OSAKAというレストラン街があり、大阪城ホールなどを通って大阪城天守閣方面に行くことが出来ます。
以前のJR大阪城公園駅では、車イスの乗客はエレベーター設置後も改札口からはでられず、外回り線ホームにあるスロープ通路(写真上青い☐)から外部一般道に誘導してもらっていました。
ここで現地案内図をおかりして、今回の行程をご案内します
案内図右上にあるJR大阪城公園駅からJOーTERRACE OSAKAを通って大阪城ホールへ
JOーTERRACE OSAKA
JOーTERRACE OSAKAはJR大阪城公園駅に直結したレストランなどが多く入る商業施設で、車椅子の場合2階から入ることになり地上に降りるエレベーターがありました。またエレベーターの近くに車椅子・オストメイト対応フル規格トイレ(写真上赤い☐)が確認できました。
大阪城天守閣に北側からアクセスするため極楽橋をわたります
青屋門はスロープ板を使って段差解消がなされていました。
当初、極楽橋(天守閣の北側)は階段しかななく、車いす利用者は南側の桜橋からしか本丸・天守閣には入れませんでした。極楽橋にスロープ通路が設置された写真をみて北側からのアクセスを楽しみにやって来たのですが。
天守閣の下、通路から少し離れたところに「秀頼・淀殿ら自刃の地」の碑がありました。燃え上がる大阪城のなかでここが最後の居場所になったのですね。大勢の侍女たちも殉じたのでしょうが、名もなき人たちは歴史の記録には「ら」という一括りの一文字で終わってしまうのでしょうか?
私の簡易電動車椅子の警報音は鳴りっぱなし、でも止まることなく登ってくれました。
周囲は外国人観光客ばかり 介助をもとめずに済んだので
「heip me」「give me chocolate」私の語学力が活かされることはありませんでした。
訳のわからん言葉をならべるな!
車いすで大阪城天守閣にたどり着きました
ここでも外国人観光客の方に写真を撮ってもらいました。
「你好」「謝謝」「ソーハンイーガー」
知ってる単語を並べただけだね、あなたどこの中華料理店でまなんだの?
大阪城天守閣には石垣を超えるかたちで設けられたエレベーターが設けれられています。天守閣内部にもエレベーターがあります。
本丸御殿とをつなぐ橋状の廊下のあったところにエレベーターからの通路が設けられたようです。(現地案内板より)
車いすで全国各地のお城巡りをしてきた私には、「城をバリアフリーにするべきかとうか」という意見を求められることがあります。大阪城のエレベーターについては西の丸庭園から天守を眺めながら述べたいと思いますので、ひとます天守閣内部に入ります。
大阪城天守閣に入城します
天守閣内部には2基のエレベーターがあり、そのうちの1期を「優先エレベーター」として利用させてもらえました。2階に車いす対応トイレがあり、「優先エレベーター」で最上階まで上ることができました。
大阪城で是非ともご覧いただきたい展示は「大坂夏の陣屏風」、九州の大名・黒田家に伝わっていたもので、右半分には真田幸村を中心とした大阪方と徳川方との合戦の様子が、そして左側には落ち武者狩り、逃げまどう民衆に対する略奪・暴行・誘拐(人身売買目的?)を行う様子が事細かく描かれていて、「ゲルニカ」のような作品だといわれています。
大阪城天守閣を出て本丸を散策します。
上って来た時はテンションが上がっていたので感じなかったけど、意外に急勾配ですね
本丸内(天守閣のある廓・地域のこと)外部にあった2ケ所のトイレを確認したのですけど、車いす対応トイレのみでオストメイトトイレはありませんでした。
大阪城天守閣近く本丸内にある
旧第四師団司令部庁舎は土産物や飲食店、公園の史跡情報を紹介する「ミライザ大阪城」として利用されています。
ミライザ大阪城(内部は商業施設になっています)に入りました
大切なことから先に申し上げます。ミライザ大阪城1階には車椅子・オストメイト対応フル規格トイレがありました。JOーTERRACE OSAKAから広い大阪城公園を車椅子でめぐってきたのですが、外堀の中でオストメイト対応トイレが確認できたのは、ここだけです。(外堀に入るまでの「大阪城ホール」などの建物内には入っていませんので不明ですが)大阪城観光にこられるオストメイトの仲間の皆さんには貴重な場所となると思いますよ。
一度に写せませんでしたので、二枚の写真を合わせてご紹介しています。
「ミライザ大阪城」の1階はお土産物店と公園史跡案内所そして外国人観光客に合わせた、「お好み焼き」「たこ焼き」「うどん」などのメニューのあるお店が入っていました。そこで昼食に「うどん」をいただきました。
職業軍人だった父の話によると旧第四師団は本業の成績はあまり振るわなかったそうです。
帰りは天守閣から南側にある
桜門の坂から本丸を後にします
城の北側、極楽橋からのルートに比べて、南側の桜門から大阪城天守閣に向かう方がどれほど簡単なことか、写真を比べて分かっていただけるでしょうか?
坂を下った正面に豊国神社がありましたが、砂利道に阻まれ車イスでは入ることは困難でした。
車椅子で西の丸庭園にも行ってみました。
西の丸庭園は大阪迎賓館があり、巨大な堀に囲まれ警備が容易であることから、APECなどの国際会議が行われました。ここからながめると大阪城天守閣そして登城用エレベーターが良く見えるのですが、エレベーターの外観(お城の石垣が透けてみえるよにガラス張りにつくられたのかも?)があまりにも近代的でもう少し城郭建築に溶け込むものであれば、評価が変わっていたのではないかと感じました。
下の写真は彦根城・開国記念館のエレベーターですが、佐和山口多門櫓を再現した記念館に溶け込んだ外装がなされていることがお分かりいただけるでしょうか。
文化財保護の問題もあるものの、石山本願寺~信長の長宗我部征伐の拠点~秀吉の天下統一のシンボル~徳川幕府の西国の拠点~第四師団司令部へと移り変わり、現在は外国人観光客が数多く集まり、本来の軍事的要塞から国際観光地へと役割そして姿をかえた「大阪城」。これからも新たな姿に変わり続けるのかもしれませんね。
大阪迎賓館
大阪迎賓館にも行ってみましたが、あいにく閉まっていて外側から見るとスロープ通路があるようでしたが、詳しくは分かりませんでした。西の丸庭園入り口でお伺いしたところ、営業日されているときにはレストランなども利用できるとのことでしたが、予約制との情報もあり、車いすで利用できるか等もふくめて事前に確認してくださいね。
大阪迎賓館裏側の多目的トイレは、介助を前提としたもので、著者にとっては使いづらいものでした。
大阪城は天守閣だけではない、
車椅子の城マニアなら重要文化財の数多くの櫓・城門を楽しもう。
私は車椅子で大阪城を訪れる人の関心が、天守閣のエレベーターや広くて移動が大変などという一面に集まっていることが残念です。大阪城ではいくつかの櫓・城門が消失を免れており、車いすでもまじかで見られるということをお城好きなら感じてほしいと思います。
特に西の丸庭園から大手門への通路沿いは多くの現存城郭建築物が楽しめました。
大阪城大手門から坂道を下り大阪メトロ谷町線の駅にむかいます。
「天満橋駅」に行くには急な坂道を下らなければならないので、「大阪府警本部」「NHK大阪放送局」の建物の間の道路をぬけて、谷町筋を右へ「大阪メトロ谷町四丁目駅」を探します。
大阪メトロ谷町四丁目駅は地元の車椅子旅行仲間の方に夜に連れて行ってもらったことがあるのですが、景色がすっかり変わっていたことや、見つけた駅への入り口がことごとく階段だったので右往左往、すっかり迷ってしましました。
ようやく大阪メトロ谷町四丁目駅へのエレベーターを見つけましたが、分かりにくいところですね。
この記事を書いているころ鉄道各社でバリアフリー化のための「運賃加算」のポスターを数多くみかけました、駅の階段をどんどん上り下り出来る健常者の皆さんにも負担をお願いして申し訳ございませんが宜しくお願いいたします。
大阪メトロ谷町四丁目駅から東梅田駅へ向かいます
谷町四丁目駅は谷町線と中央線との乗換駅で駅の構造が複雑です。
訪れた時点では段差・すき間解消工事は行われていませんでした。渡し板を設置してくださったアルバイトだといわれた駅員さんの言葉をかりると「解消工事がなされれば、仕事がなくなるよ!」とのことでした。
大阪メトロ東梅田駅で降ります
東梅田駅は段差・すき間解消とホームゲート設置工事が完成していました
ホームの案内にオストメイト対応トイレの表示があったのですが、エレベーターのある改札口からは反対方向になるため確認できませんでした。
梅田地下街を通つて阪急大阪梅田駅をめざします
東梅田駅の改札口は梅田地下街の中にあります。
大阪のキタとよばれる繁華街の地下に広がる巨大迷路・梅田地下街。
このエリアには地上にJR大阪駅・阪急大阪梅田駅 そして
地下にJR北新地駅・阪神大阪梅田駅、大阪メトロ西梅田駅・梅田駅・東梅田駅
があり、乗り継ぎには梅田地下街のエレベーターの位置を知っておく必要があります。
地下街だから位置がわからず、案内板が頼り。でも「阪急電車➡」と表示してある出口に行っても階段やエスカレーターのみで車イスでは移動できず。ようやく生命保険会社のビルのエレベーターを見つけて地上に出られました。
地上に出ると阪急百貨店がみえました。隣接する阪急大阪梅田駅は間近です。
現在は改装されて様子が変わっていますが、私の記憶が正しければ、ここは1989年アメリカ映画「ブラックレイン」で警察と反社組織構成員が死闘を演じた場所で、大阪の治安の悪さを全世界に知らしめました?
バリアフリー情報と関係のないことをいちいち書くな!
車椅子で阪急大阪梅田駅を利用します
私が車椅子で初めて阪急電車を利用したころは、ここが地上からホームに上がる唯一のエレベーターでした。今はいろいろなルートからホームへのアクセスが可能です。エレベーターを上がるとすぐに阪急大阪梅田駅の改札口、そして巨大な頭端式ホームにたどり着けます。
阪急大阪梅田駅は始発駅で、終着駅。神戸三宮・宝塚・京都河原町方面等への電車が次々と発車してゆきます。
ホームに向かって左端(改札口の外側)に車椅子・オストメイト対応フル規格トイレがありました。
阪急電車は駅のバリアフリーの流れが一般的になる以前から、独自にエレベーターを設置していただいたり、関西の鉄道をリードしてくださった私鉄だと思います。
阪急京都本線の電車に乗ります、渡し板設置サービスを受けました。
車いすの乗り鉄・城マニアを乗せた電車は長岡天神駅へ
そして勝龍寺城(京都府長岡京市)をめざします。
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☞車いすで行く勝龍寺城(京都府長岡京市)
この旅行記は2023年の状況に基づいています。
バリアフリー情報だけ掲載すればいいものを、やたら書きすぎ視聴率?が上がらない!
車椅子電車評論家・アシトド松井