(ご注意)このブログは1990年頃からの最近までの、外出時に車椅子でつかえるトイレと称されるところを探し求めた記録です、車いす利用者のみを想定した「車いす対応トイレ」から「多目的トイレ」や「バリアフリートイレ」と変わって行きますが、時代・トイレの名称等は区別することなく体験談を記載しています。
非常に汚れたトイレのが画像も掲載しております。そのような写真を好まない方にはご覧になられないようお勧めいたします。
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車椅子評論家・アシトド松井
このブログは「脊損ニュース2023年2月号」に掲載していただいた記事をもとに、大幅に加筆修正したものです。
アシカさんとトドさんの対談形式でお楽しみください。
正しい多目的トイレの使い方を論じる
<トド>多目的トイレはいろいろな使い方がされますね。きれいに掃除されていて中が広いものだから、男女の営みに使う人や、コスプレのための着替えに使う方、なかで生活しておられるようなこともありましたね。
❶各種イベント会場として利用される
<アシカ>大勢でタバコを吸っていたり、ハンバーガーや飲み物の入れ物が散乱していたりして。右写真は京都府のある駅の多目的トイレですが、吸殻がいっぱいで臭いもすごい。駅員さんの話だと近くの高校生が喫煙所として使っているのだそうですが、ちゃんと校内で吸うように指導してもらいたいですね。
<アシカ>もっとすごいのが下の写真の多目的トイレ。滋賀県の駅前ロータリーにあったものなのですがどうやら中で、シンナーをやっておられるらしくて、こうなると、 「車椅子ユーザーだから、このトイレを優先的に使わせてください」とも、いいだしにくいですし校内で吸ってから下校するように厳重に指導してもらいたいですね。
<トド>そういう問題じゃないでしょう。吸うこと自体が、ダメなこと。
<アシカ>じゃあハンバーガーや飲み物を持ち込んで宴をもよおすのは良いの?
❷倉庫として利用される
<トド>ところで最近は少なくなりましたが、多目的トイレが倉庫代わりに使われていることが結構ありましたね。
<アシカ> 写真は千葉県内の資料館の多目的トイレですが、トイレットペーパーが側面に山積みにされていました。
年末にテーマパークのホテルの多目的トイレを使おうとしたら、先日終わったばかりのクリスマスの飾りがいっぱい押し込んであって、ツリーが邪魔して利用できず、ホテルを出て夜中の暗いテーマパーク内の多目的トイレを使わせてもらった経験もあります。
❸車椅子利用者は例外的な外出者?
A 一般の方とは分離してヒッソリした場所に設けられた車いす対応トイレ
宮城県の港で物置の隅に車椅子対応トイレがつくられていたり、兵庫県の港では自転車置き場の中にだけ車椅子で使用できるトイレがありました。一般乗客(普通のトイレが使える歩ける人という程度の意味)のためのトイレは共に港のターミナル内にありました。
B 案内表示もなく電話ボックスの裏につくられていた車いす対応トイレ
電話ボックスの裏の目立たない場所にもうけていましたが、夜間などは防犯上の理由から利用するのは怖いかも。またトイレ内で各種イベントを計画されている方にはうってつけの隠れ家的設備かもしれませんね。
c 誰も使わないからシートが被せられ、蜘蛛の巣がはっていた車椅子対応トイレ
❹車椅子ユーザーの利用を想定していない多目的トイレ
多目的トイレと思われるのに段があって車いすでは利用できない
写真は撮影していませんが、高層の百貨店の四階にだけ多目的トイレがあるというのでエレベーターを利用して行ってみたのですが、ドアの内側に段がありたどり着くことが出来ませんでした。
❹恐怖の多目的トイレ
都市伝説! トビラを開くと若い女性の悲鳴が鳴り響く
駅の多目的トイレの前で一般用女性トイレへの長い列が。以前介助をして下さった女性とトイレの話題となり「女性は大小の区別なくスペースが必要な同じ🚽を使わなければならないので、男女と同じ広さのトイレでは公平に扱われていないのでは?」といった話を思い出しで多目的トイレを覗いてみると珍しく使用中と表示されていない。そこで開くのボタンを押してみると。
うら若き女性の悲鳴が「ギャーァ」
ならまだ良かったけど実際は「ゲゲー!」😱
と鳴り響きまました。
<アシカ>トイレの花子さんの話は聞いたことがあるのですが、現実に怖いトイレは存在するのですね。恐ろし事です。
<トド>恐怖体験の話のようですけど、お顔が少し嬉しそうに見えるのは私の気のせいですかね~?
多目的トイレ自動扉の利用解説(内部に貼ってある操作案内は必ず読みましょうネ)
外側から扉ひらいて施錠するためには内側で閉のスイッチを押さなければなりません。一定の時間がたてば自動的に扉は閉まるのですが、施錠をせずにいると外側の開くスイッチを押せば、トイレ内部がいかなる状況であろうともトビラが開かれ白日の下にさらされてしまします。
❺利用しようとすると、陰部・内臓の一部(ストマ)が、
人目にさらされる恐怖の多目的トイレ
住居侵入・不退去罪? 私の法的知識では理解できない
法科系の障害者は理屈がおおいからキライじゃ~
<トド>多目的トイレに住んでいる方と遭遇したことがあるそうですね。
<アシカ>大阪府内で2度、茨城県内と滋賀県内で1度づつ、計4回トイレの住人と遭遇したことがあります。
<トド>滋賀県内でのバスターミナルの多目的トイレでの住民との出会いは、すごかったようですね。
<アシカ>今となってはもう昔の話ですが、オストメイトと車椅子利用の重複障害者である私は、トイレにすんでいた人の前で💩をしたことが、あります。車椅子やオストメイトの障害のある仲間に話しても信じてもらえないようですが、実話です。職場の後輩と宴会の帰りにピンチになったので急遽バスターミナルにある車椅子対応トイレに入ろうとしたのですが、アコーディオンドアは硬く閉じられ、呼べど叫べど応答なし、管理をされているかたが仲介?に入ってくだされ、扉がひらかれると。中はダンボールが敷き詰められ、手すりにはハンガーがかけられた理想的な、居住空間、そこに住んでおられた方とご対面。私が入ったのだから、トイレから出てもらえるのだと思ったら、そのまま横にいらっしゃる。当方も覚悟をきめて、ストマ(人工肛門)のお腹をみせて、パウチ(袋)を外して💩を捨てる。カテーテルを入れて自己導尿する、といろいろとご質問をしてくださる。オストメイトや車椅子の講習会でもここまで実演しませんよ! 職場の後輩は酔いがまわっていて、介助という立場を忘れ、はなれたベンチに座って酔いをさましておったそうじゃ。めでたし、めでたし?
<トド>少しもめでたくないじゃないですか。それに女性の車椅子ユーザーだったら怖くてトイレに入れませんよ。
<アシカ>でもトイレに住む人にはそれなりの事情もあるのだろうし、ある意味では社会的弱者同士、住む所くらいは確保できる社会にしてほしいですね。制度は整っているのかもしれませんが、まだまだそこにたどり着かない人も多いのかもしれません。
<アシカ>多目的トイレにあるこんなもの(下写真)はオストメイト・トイレです。便や尿を体の姿勢に合わせて処理するためのもので、洗面等に使用されないようにお願いします。
<トド>アシカさんの障害をよく知る方ですら、お酒を飲みすぎたときにお戻しするための設備だと思っていたそうじゃないですか。
<アシカ>外見からは見分けのつかない内部障害者が周囲の理解を得るのは本当に難しいですね。
☞オストメイトについて知りたい方はこちらをご覧ください 「オストメイト入門」
❻昔からよくあるトイレが使えなくなる原因
写真のケースはまだましな方で、トイレに直接流そうとする方が多く使用できなくなります。捨てるのに便利な高さにあるオストメイトトイレに流される方もおられるようです。
僕たちのバリアフリーは車いすで使える状態にあるトイレ探しだった
車椅子評論家・アシトド松井