アシカなくてもトドまらず

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一夜限りの段ボールベッドでバリアフリールームを作った職人達(職場の同僚の人達という意味)

介護用ベットと和室の部分が設けられた
一般の旅館・ホテルのバリアフリールーム

上の写真は2023年に撮影したもので、今回の記事とは関係ございません。このブログは1992年の宿泊体験談です。

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車椅子電車評論家・アシトド松井

私が車椅子旅行のホームページを作り始めた1995年から比べれば(インターネットが電話回線で記録媒体がフロッピーディスクの時代と比べること自体が間違っていますが)バリアフリーに関しても遥かにリアルタイムで大量の情報が得られますので、「アシトドのHP・ブログ」は役割を終えたのではと感じて、たぶん余りご存じないであろう「回顧録」を書くことが多くなっています。今回は1992年(平成4年)東海地方の観光都市で職場の仲間(全て健常者と思われる)と一般のホテルに宿泊した体験をご紹介いたします。

 

幹事さん(若手職員)に「車椅子に配慮した宿にしてね😘」と強く要望したのに、段のある畳の上に布団を敷いて眠る普通の和室に泊まることに。

その頼み方、表情から誰が強く要望されたと受け取れるの?

 

ホテル玄関に設けられていたスロープ板を部屋の入り口に移動してもらい、畳部屋に入れることに。

自らのその場の利益を優先して、後の利用者のことを考えなかったようだな!

 

スロープ板はホテル正面玄関に置かれていたものを借用

 

私はベッドでないと横になれない身体状態でしたので、ホテルの方にお願いするもベッドは無いとのご回答。車いす生活になる前、流通関係の会社で荷造りの経験があったので、板ボール箱を使えばベッド代わりになり、料理を提供する大きなホテルなので食材の納入先からの多種・多量な段ボール箱があるはずだと悪知恵?が働き、従業員さんにお願いすると、いくつもの大きさの空の段ボール箱を提供いただきました。

 

車椅子で乗り移れる高さの板ボール箱2個を厳選してガムテープで組み立ててもらい、そのままでは中が空洞で私がベットとして乗り移ればつぶれてしますので、余っている座布団を詰め込んでもらって、簡易ベットが完成しました。

 

畳の部屋に御膳が運ばれ、お酒も出され、トイレの心配があった私も舐める程度に口にしました。

 

ところが車椅子から段ボール箱のベッドに乗り移ると大きな問題が!

 

内部の座布団が外側に移動、壁側は押さえられたのですが、部屋の内側の段ボールがふくれあがってベットは沈み込み崩壊寸前。私は身体が埋まってしまい動けなくなりました。

 

状況をみておられた職場の先輩が座椅子を段ボールの下に挟み込んで、固定することになるのですが、私が動けないので座椅子を足で蹴って差し込むという方法で。

4つの座椅子に支えられとりあえず段ボール製簡易ベットは崩壊をまぬがれ、私は微動だもできずに、でも横になることが出来ました。

 

トイレは利用できないことは予想できていましたので、前日に人工肛門(ストマ)に大量の水を入れて内容物を出し(洗腸)、小のほうはカテーテルに袋をつなげて事なきをえました。

段ボール製・簡易ベットの作成パーツ
板ボール箱・座椅子・座布団

翌朝、ベッドがへこんでしまって腕を使っての移動が出来ないので、介助をしてもらい車椅子へ移乗。エレベーターで最上階の海の見えるレストランで朝食。車いす生活になって初めての職場の人達(略して職人)との旅行は無事におわりました。

 

車いすで普通の和室にお泊り客とバリアフリールームを作った職人たち

段ボール簡易ベットの作成過程から考えて、部屋の畳はすいぶん痛んでしまったと思われますが、従業員のが正面玄関で記念撮影をして下さったので。

これでいいのかなぁ・・・。

このような部屋からバリアフリールームやユニバーサルルームに発展していったのかも

そんな訳ないだろう!

 

車椅子電車評論家・アシトド松井

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