アシカなくてもトドまらず

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「歴史バリアフリー ~難攻不落の「城」を攻略せよ~」(NHK Eテレ 「バリバラ」2024年3月15日放送)取材出演の記録と車椅子で神社・寺院へ参拝体験談

2008年撮影の熊本城天守閣と内部への入り口

2016年に発生した熊本地震により復元天守閣は倒壊、内部にエレベーターが設けられバリアフリー化したお城として再建されます。天守閣への入り口は石垣の下の方の位置にあり、大阪城のような外部に石垣を越えるようなエレベーターを設置する必要がなかったことも条件面で幸いしたのではと推測しています。

バリアフリー化工事後の熊本城天守
天守台石垣の低い位置からスロープで内部に入ることが出来るようになったことがご理解いただけるでしょうか

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車いす城郭評論家・アシトド松井

2023年12月末に「文化財バリアフリー」という番組を制作したいと連絡をうけ、取材に来られたデイレクターさんに各地の車いすで神社や寺院の参拝の様子なども説明しましたが、最終的に「城」をテーマにした番組になります。

2か月ほどの取材の過程で色々な写真や資料が整理できましたので、ご紹介させてもらいますね。

こちらも併せてご覧くださいね☞バリバラをご覧いただいた皆様へ

適当な理由をつけてテレビに出た自慢話をするつもりだな!

NHKから「車いす城郭評論家」として公認された記念すべき瞬間の映像

(もはや自称ではないよ)

私は車いす生活になってから1992年の水かけ不動尊大阪難波・全く平行移動でした)に参拝して以降、全国の社寺城郭めぐりをしてきました。「脊損ニュース」の記事からNHKのデイレクターの方がそのような活動に興味をもたれ連絡されてきて、 Eテレの「バリバラ」という福祉番組「文化財バリアフリー(仮題)」の立案段階から取材をうけ、内容の提案、写真等の資料提供を行い制作に協力することとなりました。

❶提供した資料の中から私が山岳寺社でも車いすで参拝が可能ではないかと、感じた二つの体験を写真と共にご紹介します。

A 1993年 成田山新勝寺(千葉県)に参拝しました

麓の駐車場から社務所建物内のエレベーターを使わせてもらって本堂へ

本堂・三重搭のある区画から上は階段があるため上がれませんでした

成田山新勝寺・本堂前には車いす対応トイレがありました。

 

 

B 1993年  日光東照宮(栃木県)に参拝しました

陽明門の手前にて、写っている石段も担ぎ上げてもらって陽明門もくぐりました。

車いすを職場の仲間に担ぎあげてもらう(俗におみこしと呼ばれる介助方法)、皆さんにご苦労をおかけしましたけど、神社へ参拝だからこれでいいのかなぁ~

 

 

車いすで参拝できた細かいバリアフリーがなされていた神社をご案内しますね。

A 2024年 大神神社(奈良県)に参拝しました

大神神社拝殿(2024年撮影) 写真右側を注目
(コンクリートのスロープで地面との段差解消がなされているのがお分かりいただけるでしょうか)

大神神社参拝後の急な坂を解消するため設置されたエレベーター
手前に筒状のネットを敷いて段差が出来ないように工夫されていました

拝殿前の地面からはコンクリートのスロープで段差解消がなされていました

車いす対応トイレ前の砂利には筒状のネットを敷いて段差解消がなされていました

大神神社には高い場所に拝殿のある神社で、エレベーターが設置される以前にも参拝しているのですが、今回 非常に細かい配慮がなされていたことに気づいて驚いてしまいました。社寺城郭や庭園では砂利や芝生など未舗装の通路から建物・トイレなどに入ろうとしたときに地面が低くなり段差が出来ていることが多く、車いすを上げられず利用をあきらめてしまうことが頻繁におこりますので、このような細やかなバリアフリーを実現していただけたことには感謝の言葉もございません。

 

神社やお寺のバリアフリーは今回の番組企画からは外れることとなり、これらの写真が日の目を見ることは無く「歴史バリアフリー」のなかで取り上げられることはありませんでした。 

このままでは歴史に埋もれてしまう・・・   

だから代わりに「脊損にユース」に原稿を送ったのだな!

最終的には「お城のバリアフリー」というテーマに絞られることになり、他に全国規模で車いすでの城めぐりをされた方が見つからなかったようで番組企画の取材と思っていた私が出演を依頼されることに。「顔出しはいいですか?」と問われるので「●●出しでなければいいですよ」と応え、お受けすることになりました。

 

現在係争中?のお城についても、それとなくコメントしたのですが、30分番組で4名の多様な車いす利用者がお城を目指す姿を紹介されたため、オンエアーはされませんでした。

番組進行役の出演者の方の、神社にお参りされたとき車いすのために鈴や賽銭箱にたどり着けず、同行者にガラガラ鳴らを代行依頼、お賽銭はまとめて入れてもらったので「今の鈴やお賽銭は私の願いの分だとわかってもらえるのかなあ」といった内容の楽しいコメントも「城」の話題に絞りこんだためか放映されませんでした。

 

江戸時代から残されている天守閣(現存天守)は12のお城にしかありません。私は丸岡城福井県)・姫路城(兵庫県)・弘前城青森県)・松本城(長野県)ほかの現存天守閣を訪れようとしたのですが、中に入ることはかなわず、石垣の下から眺めて満足していました。ところがもう一人のゲストの車いす利用者は多数の介助者(番組内で家臣と紹介された)の協力を得て、狭くて急な階段をおんぶしてもらって4つの現存天守に上られたのだそうです。私も早速ヘルパーさんを集めなければ!

運転免許持ちで全身性障害者ではなさそうだから、公的制度による「移動支援事業」は難しそうね。

一言多くて人望なく、財力もなさそうだから、自力での家臣集めはもっとムリね!

 

私が車いす生活になり頻繁に街に出かけるようになった1990年、外出時に探し求めていたのは物置として使われたり、汚されておらず車椅子で使える状態にあるトイレで、当時は車いす対応トイレの位置情報がバリアフリーマップの主役でした。

それが意図的に障壁だらけ(フル・バリアー)につくられた軍事要塞の「お城」をテーマにしたバリアフリー番組に出演できることになるとは、想像すらできませんでした。

こちらもご覧いただければ幸いです。

☞車椅子で使えるトイレを探して

 

 

近年バリアフリー化された復元天守閣のお城を紹介し今回のレポートを終わります。

❸私の障害レベルでは残念だったバリアフリー化されたお城

A 2023年 福山城広島県)を訪れました

福山城にはJR福山駅から城域をぐるっとまわって反対側の急な坂道を上り天守閣までたどり着きました

福山城復元天守閣入口(石垣の下の方から入る構造の城で外側にエレベーターを設置する必要はありません)まではスロープ通路が整備されていました。

内部の石垣を崩せなかったようで、イス型の昇降装置が設置されていました、座位バランスが悪く固定しなければ滑り落ちてしまう私は乗り移ることが出来ませんでした。

 

お城の案内の方が介助に来て下さいましたが、危険と判断してこれ以上の登城はあきらめました。伺うとイス型昇降機でたどり着ける階からはエレベーターが設置されているそうです。 残念!

歩けなくなっても座位バランスを良くしておけば行動範囲は広がりますね。リハビリ頑張りましょう!

 

こちらも併せてご覧くださいね☞バリバラをご覧いただいた皆様へ

NHK公認肩書 を使用

車いす城郭評論家・アシトド松井

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