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車椅子電車評論家・アシトド松井
2023年初夏、車いす利用者2名(手動と簡易電動)で京都から長野県・湯田中温泉へ、そして翌日は善光寺に参拝できました。特急列車を乗り継いでの旅行になりましたが、利用した列車と乗車区間は下記のとおりです。
①JR京都駅~JR金沢駅 在来線特急「サンダーバード」に乗車
③長野電鉄・長野駅~湯田中温泉駅 2100系「スノーモンキー」に乗車
※2100系に乗車できたことがこの旅行の快適さに大きく影響することになります。
北陸新幹線は2024年には金沢・敦賀(福井県)間が開業予定ですので、上記の特急列車の乗り換え等、利用状況は大きく変化すると思われます。
全館バリアフリーの旅館はくらさんに宿泊することとなり、特に🔵を付けた高さを変えることができる電動ベットがあることが、湯田中温泉を訪れる大きな動機づけになりました。
いつものように画面上ではございますが、「車椅子で行く長野の旅」をご一緒にお楽しみいただければ幸いです。
❶JR京都駅から金沢駅まで特急サンダーバードに乗ります
まずはアシトド恒例、車内バリアフリーチエック
乗車した「特急サンダーバード」はサハ682-4411という車両でした。
私の知る限りサンダーバードとして運行されているうち、車いす対応トイレの扉を通路側に湾曲させ室内を広くしてくださった、新型の車両でした。
①車いす対応座席は乗り移りを前提としたもので、車イスを折りたたまずに置いておくと通行の妨げになります。(悲しい現実)
②車いす対応トイレは扉を通路側に湾曲させ室内が広く使え、私の車いすは切り返すことなく入室でき利用できました。
③多目的室は施錠されていて内部は未確認です、通路に対して直線につくられており内部は狭いと思われます。
④「車内のご案内」を見る限り車イスに配慮しているのはこの車両だけのようです。
車いす対応座席に乗り換え車イスを折りたたむことを前提としているようです
ここで大きな問題が、片足の切断手術のあと初めて鉄道の車いす対応座席に乗り移ろうとしたのですが、体重を支える杖代わりの足がないこと。そして左右のバランスが取れなくなってなっていて床に落ちる寸前に!
近くの座席のおられた男性2人に助けていただいて、ようやく席に座ることができました。金沢駅で降車するときにも手伝っていただけました。ありがとうございます。
私は今まで普通自動車や鉄道の座席に乗り移れる恵まれた車椅子利用者だったのですね!
折りたためない電動車椅子の旅行仲間が、特急車内では多目的室またはデッキの扉の前で過ごされていて、理屈では分かっていてもフリースペース(座席のない客室内の広い場所)の必要性は実感としては理解していなったのかもしれませんね。
特急サンダーバード―は琵琶湖の西岸を通って敦賀へ、北陸地域をめざします。
湖西線を通過中の車窓から琵琶湖がみえます
広大な琵琶湖の横を通り過ぎ、県境のトンネルをいくつが抜けると福井県に入ります。琵琶湖から大阪湾(太平洋側)に流れと、敦賀湾(日本海側)に流れる分水嶺はずいぶん北側にあることがわかりますね。
JR敦賀駅に到着です
在来線ホームからは真新しい新幹線ホームがのぞまれ、さらに西に向かって工事が進んでいるようでした。
列車は長い敦賀トンネルに入り嶺北地域に、JR福井駅に着きます
❷JR金沢駅に到着しました
渡し板を設置していただいての降車ですが、ホームと車両の段差は大きなものでした。
JR西日本さんが京阪神都市近郊エリアとして整備されているアーバンネットワークから離れて北陸地域に入ると、車両とホームの段差が大きくなるなど、バリアフリー環境は一変します。(福井駅の駅員さんと同じ意見でした)
新幹線との乗換に時間があったので駅員さんの誘導を受けて、1階改札口を出て食事をとることにしました。
1階名店街奥のレストラン街に行ってみました
車椅子・オストメイト対応フル規格トイレがみつかり、オストメイト兼任障害者の私は安心して済ませることができました。
レストラン街で海鮮丼ぶりをいただきました、金沢らしく金箔(食用)がふりかけられて贅沢な雰囲気
兼六園口(東口)側にあるJR金沢駅のシンボル、鼓門の下にて
記念写真をお願いしていると「子ども用車椅子」を押すお母さんとめぐりあいましたので、早速当ブログのPRメッセージカードをお渡ししました。
駅前バスターミナルをぬけると、地下へのエレベーターがあります。下ってゆくと.北鉄・金沢駅の改札口があります。
北鉄金沢駅
私は北鉄バスでノンステップバスの運行が行われることを知り、初乗車体験をするため1998年に金沢を訪れ、その際まだ地上駅だった北鉄・金沢駅から内灘駅まで北陸鉄道にも乗車しています。改札口からその時、乗車したと思わわる同じ外観の電車が発車待ちをしているのを見つけ、乗って行きたいという欲求を抑えるのが大変でした。
あんた根っからの乗り鉄なんだね!
➌JR金沢駅から北陸新幹線で長野に向かいます。
もう1人車いすユーザーの方が乗って来られ、同じ車両に3名の車いすユーザーが同乗して新幹線「かがやき」が出発します。
車いす用フリースペース設置の対象列車の運行表を事前に調べておいて、長野方面行きは従来型・帰りの金沢行きは車いすスペースが4席あるE7系に乗車するとおもっていたのですが、車両の更新が進んでいるようで金沢から、旅の目的の1つである車いす用フリースペース設置の北陸新幹線に乗車できました。
なお車内の詳細につきましては下記のブログをご覧下さいね。
☞車いすスペースが4席あるE7系新幹線の車内体験
私は恒例のバリアフリーチックで車内をうろうろ
車いす対応車内での過ごし方も障害レベルや状況によって選べるようになってきましたね。
北陸新幹線(金沢~長野間)の車窓から
❹JR長野駅に到着しました
渡し板で降車を手伝ってもらいエレベーターでコンコース階へ
多機能化粧室に車椅子・オストメイト対応フル規格トイレがありました。車いすが入れない広さのオストメイト簡易対応トイレもありましたので、多目的トイレの利用集中を分散しようとするバリアフリートイレ化が試みられているのかもしれません。
善光寺口から地下の長野電鉄乗り場に向かいます
①新幹線の改札口は2階にあり自由通路には地上階に降りるエレベーターがありました。
②バスターミナルをぐるりとまわると長野電鉄へのエレベーターがありました。
③JR長野駅・善光寺口側のようす。右側に従来からある長野電鉄への通路、左側にエレベーターが写っているのがわかりますか?
❺長野電鉄・長野駅につきました。
今回はホームページ等、インターネットから得られる情報以上に確認したいことがあったので、事前に長野電鉄さんに電話で照会してみました、その結果、現場はネット情報以上に更新されている(当たり前か)ことがわかりました。
事前に電話しておいて良かったこと
①ネットでは長野電鉄乗り場へのバスターミナルからのエレベーター設置の情報が得られず、隣接の商業ビルからのアクセスを検討していたが、バスターミナルからのエレベーター情報を教えていただけたこと。
②直通の特急列車は当初は車椅子での利用が困難な1000系「ゆけむり」での運行が多数で、途中の信州中野駅で乗り換えが必要な普通電車の利用を考えていたのですが、利用する日は2100系「スノーモンキー」に変更されていること。
事前に電話したから車両をかえてくれたのかなぁ。 そんなわけないだろう!
長野電鉄・特急1000系「ゆけむり」について知りえたこと 小田急ロマンスカーとして使われていた車両で眺望を重視したためか床が高く、乗降口の扉2段の階段があり(全ての車両かどうかは不明)、また幅も狭く渡し板も設置できないらしい。(実際に乗車体験していないので確認は出来ませんでした) |
駅員さんが券売機で切符を買ってくださいました。(下写真左側)
改札口を通って、エレベーターで地下2階のホームに降ります。
車いすで利用し易い特急スノーモンキーに乗るのですが、この車両どこかで見覚えがあるような。
長野電鉄 特急スノーモンキーに渡し板を設置していただき乗車できました。
トランク(大型の旅行カバン)などを置くためのスペースがあり、また左右の座席が車いす対応のようでした。ずでに一般の乗車客の方が座っておられ車いすユーザーが横に着けるのも気まずい雰囲気だったので私はトランクのスペースの前でうろうろしていました。
とちゅうの須坂駅に到着すると
須坂駅にはエレベータ有り 特急「ゆけむり」が停車していました。扉は見えなかったのですが窓の位置から推測して、床は高く造られているようです。
❻長野電鉄・湯田中駅に到着です
特急スノーモンキーの正面にまわってみて、やっと思い出しました。私が千葉県で生活していた1990年頃、JR総武線を空港に向かって高速で走り抜けていた「成田エクスプレス」ではございませんか!どのような列車なのか乗ってみたく思っておりましたが、長野の温泉郷まで連れてきてくだされることになるとは。
長野電鉄・湯田中駅改札口近くで記念撮影のあと、スロープで駅前に下ろしてもらいました。
後から設置していただいたスロープ通路らしく急勾配、駅員さんに慎重に下ろしてもらいました。
長野電鉄・湯田中駅
周囲のいくつもの温泉駅の起点となる駅で、大きな駅舎が印象的でした。
湯田中駅前の旅館・ホテル案内
私はこの看板をみるまで「お猿さんが温泉につかりに来る」有名な場所に来ていることに気づきませんでした。
鉄道車両の形態や、駅での乗り継ぎばかり気にして、観光地の状況をしらべてないな!
今日、お世話になる、バリアフリーの温泉宿「はくら」さんに向かいます。
近道もありましたが.急勾配で車いすユーザーが利用するのは危険なので、まわりみちになりますが安全な所を行きます。事前に温泉街の観光地図(旅館やお店の名前と位置が詳細に分かりました)を拡大コピーして持参していたので、道に迷うことはありませんでした。準備万端じゃーぃ
❼Г旅館はくら」さんに到着です。
「はくら」さんのパンプレットより
サンダーバードの座席の移譲の失敗で再確認(思い知らされる)することになりましたが、片足の切断後「車いすの高さ」にあわせた、ベッドや座席でなければ乗り移ることが困難になってしまい。高さの変えられる「稼動式電動ベット」のある宿を探して「旅館はくら」さんを利用させてもらうことにしました。
入浴用チェアーとリフトがもうけられた大浴場と稼動式電動ベットがあり、畳の部分もありハンディキャップのない家族もゴロゴロ寝そべって?くつろけ“る和洋室に泊めてもらいました。
近くの街に拠点をもっ事業者さんの自費介護サービス(公的介護保険適用外)を事前に依頼しておけば.入浴時の介護等が受けられるそうです。
私は車椅子生活を30年以上経験して(別に好き好んでやっている訳ではないょ)各地の温泉地にも行っていますが、介護者の確保やオストメイトという遠慮(別に言われた訳ではないのですが)もあり。車椅子生活になって間もないころ家族と旅行会社の企画した「車いす用のツアー」に参加し北海道・札幌近郊の「定山渓温泉」に2人の介護スタッフの助けを得て、湯船に入れてもらったのが唯一の温泉入浴体験です。
今回「旅館はくら」さんのことを事前により深く調べておけば2度目の温泉・湯舟入浴体験が出来たのに~
身軽な手動車いすの方は単独で入浴、温泉宿を楽しんでおられました。
夕食をいただきました。内陸部なのに新鮮な刺身が食べられたので伺ってみると、直江津(新潟県上越市・日本海側の漁港がある)が意外に近く入手できるのだそうです。
善光寺に向かう天気は曇り時々晴れのようです、雨が降らないと良いのですけど。
次回は長野駅前から路線バスに乗車して善光寺にむかいます。画面上ではございますが引き続きご一緒に車いす旅行をお楽しみいただければ幸いです。
☞車椅子で行く長野県 第2話・湯田中温泉から善光寺に
特典映像(以前の金沢駅のようす)
1998年撮影のJR金沢駅・業務用エレベーター
職場の同僚が.北陸に帰省するとき金沢駅を利用するというので、エレベーターの有無を確認してもらって、次の旅行計画の参考にしました。ホームから業務用エレベーターを降りると高架下の商業施設の端に出てきて、改札口からはずいぶん離れた場所につながっていました。
いつも仕事のことばかり考えている働き者
とかいって職場でも車椅子での旅行情報収取は抜かりなくやってたようだね!
車椅子電車評論家・アシトド松井