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車椅子電車評論家・アシトド松井
2022年、車椅子利用者2名と介助の健常者2名で2日間に分けて、兵庫県の明石海峡を船で渡り淡路島へ。1日は淡路市をノンステップバスで巡り、2日目は岩屋(淡路島北部)から就航していた咸臨丸(外観復元の帆船タイプ)に乗船させてもらい、明石海峡大橋クルーズを楽しみました。画面上ではございますが、明石市と淡路市を結ぶ車椅子での船の旅を、ご一緒にお楽しみいただければ幸いです。
まずはJR明石駅(兵庫県・本州側)が今回の旅の起点となります。JRのホームから明石城の櫓が近くに臨めます。(正面は石段ですが、裏側に大きく迂回すれば、車椅子でも近くまで行くことができます。坂がきつかったですけど。)
明石駅はJRと山陽電鉄の駅が隣接しており共にエレベーターがありました。
明石駅を後に淡路ジェノバライン乗り場へ、淡路島・岩屋行の船に乗ります。
現地案内図の写真を撮って、今回の旅行記で訪れる所を、紫色で強調してみました。
明石駅と魚の棚(商店街)そして淡路島(岩屋)に向かう高速船・淡路ジェノバラインのりばの位置関係がわかってもらえるでしょうか。
乗り場にも子午線がはしっていました。
淡路ジェノバラインに乗って明石海峡を渡ります。
浮き桟橋だから潮位に影響されず船との段差は一定でした。
ところが・・・
お客さん重くて、ふたりがかり。
船内からみると明石港の淡路ジェノバライン乗船場が、スロープ通路をつなげた、浮桟橋という車いすでの乗降に適したつくりであることが、よくわかります。
車いすトラベラーを乗せた高速船は淡路島にむかって、瀬戸内海を渡ります。
そして明石大橋をくぐって約13分間の船旅で、岩屋港に到着します。
淡路島に上陸です。
岩屋ポートビルは完成したばかりで、昔の岩屋港を知る著者にとってはまるで別の場所に来たようなバリアフリーの充実ぶり。以前は、車椅子対応トイレも隣の建物の駐車場奥みたいなところにひっそりとありましたしね。
明石焼きは、たこ焼きとは違いだしにつけてたべます。玉子焼きといわれることもあります。岩屋ポートビル内に車椅子・オストメイト対応フル規格トイレを確認しているので、車椅子利用とオストメイトの重複障害者の著者も安心して、食事がとれます。
ここからの旅行記は訪れた日によって行き先が異なります。
一日目は淡路島の北部地域で運行されている路線バス「あわ神あわ姫バス」に乗って、兵庫県立淡路島公園アニメパーク「ニンゲンノモリ」へ。一日目の参加者は車椅子利用者1名と健常者(介助者)2名の合計3名。
二日目(再度訪れたとき)は咸臨丸に乗って明石海峡クルーズを楽しみました。参加者は車椅子利用者2名で介助者の同行なし、でも駅員さん、船員さん、魚の棚商店街の皆さんに助けてもらいました。
1日目の旅行記を始めます。
岩屋港前のバスターミナルより、バスで兵庫県立淡路島公園アニメパーク「ニンゲンノモリ」をめざして、車椅子の勇者一行の冒険の旅が続きます。
ただ車椅子で定期船に乗って、路線バスにのるだけで、誰が勇者やねん!
なお同行健常者2名の方は写真に写ると大魔王に魂を抜かれることを恐れてか、このブログの写真上にはほとんど出てきません。
なんか江戸時代の日本人みたいですね!
絵島を臨む、岩屋港バスターミナルで「あわ神あわ姫」バスを待っていると、1台だけ不定期に運行され、乗る者に幸せを呼ぶという(観光ガイドに書いてあった)「ゴールデンドリームバス」がやってきました。
物事を疑うことを知らない車椅子の勇者(著者は、すっかりドラクエにかぶれている、理由はすぐにわかるよ)は、観光ガイドに書いてあった幸運を与えられ、路線バスの旅を続けます。
兵庫県立淡路島公園内にあるアニメパーク「ニンゲンノモリ」に入るとすぐにスライム(ドラクエで一番最初に出てくるモンスター)に出逢いました。
ようやく新たな伝説の旅のはじまりの地、オノコガルト城に辿り着いたのですが、車椅子の勇者は経験値が乏しく入ることが出来ませんでした。またゴジラとも遭遇したのですが、経験値が乏しく戦うことは出来ませんでした。
経験値が乏しいて、どんな意味、バリアフリーのアトラクションで無かったの?アトラクションを利用できなければ、新たな伝説は生まれなかったようで!
アトラクションの詳しい内容は大魔王ゾーマとはじまりの島と検索すると出てきました。
勇者が体験した「あわ神あわ姫」バスは行帰り共に小型のノンステップバスで、車椅子スペースは一台分、車椅子利用者2名での旅が多い旅行記・アシトドシリーズでは車内車椅子スペースは2台分は欲しいところです。
そして新たな伝説をつくることもなく、岩谷港前のバスターミナルに戻ってきました。
めでたしめでたし。
2日目の旅行記を始めます。
今回は咸臨丸に乗って明石海峡クルーズを楽しみました。参加者は車椅子利用者2名のみで同行介助者はいません。
咸臨丸をめざして岩屋の街を車椅子で行きます。幹線道路は自動車が多くて危険なので、並行する商店街を行ったのですが、寂れてしまっているね。
明石海峡大橋が交通の中心になるまえは、フェリーが頻繁に発着していた岩屋。たこフェリーなども廃止されかつての賑わいを知る、車椅子旅行マニアとしてはさみしい限りです。
明石海峡クルーズ・咸臨丸は運航日が決まっていますので、事前にご確認くださいね。
明石海峡クルーズ・咸臨丸へは、スロープ状のタラップを用いておられ、車椅子をおしてもらって船内に入りました。少し寒かったですが、最上階のデッキに乗せてもらえたので、明石海峡大橋を船がくぐる様子や、瀬戸内海を行き交う船舶、淡路島北端の建物などが良く見えました。ただし明石海峡クルーズ・咸臨丸はバリアフリーにはつくられておらず。車椅子では最上階デッキの一部にしか移動できず、階を移動することや、船内トイレを利用することは出来ませんでした。
この旅行記を書いたら、「うずしおは見られましたか?」という質問をうけてしまいました。渦潮が見られるのは、淡路島の南側と徳島県のあいだの鳴門海峡で、福浦港から「うずしおクルーズ」が出港しているとのことで、今回の明石海峡クルーズとは淡路島をはさんで反対側になります。ご注意くださいね。
それではあらためて、咸臨丸からの明石海峡の景色をご紹介します。
マストが橋にぶつかりそう。
下船後、車椅子で移動、岩屋港ポートビルに戻って、再び淡路ジェノバラインで明石海峡を渡り、明石港に帰ってきました。
車椅子オストメイトの旅行者が魚の棚商店街を訪れます
ここからは夕食と買い物のためにおとずれた、明石港と明石駅の間に位置する、魚の棚(うおんたなとよむ)商店街をご一緒しましょう。車椅子でも買い回りのし易い、商店街で車椅子で段差無く入れる、海鮮料理や寿司店、明石焼きの店なで食事をとった経験があります。
この商店街の中ほどに魚の駅という休憩所のような施設があり、その奥に車椅子・オストメイト対応フル規格トイレがあり自由に使うことが出来ました。各店舗に設備がなくても、車椅子オストメイトの著者は安心して食事や買い回りができました。
車椅子でのお買い物のようす。
ジンバブエドルは使えますか? ここは日本ですよ!
HOPカードでポイントがつきますか。うちの店は平和堂じゃあないのよ!
食事・買い物を終えて、明石駅に戻ってきました。
画面上ではございましたが、車椅子で行く明石海峡大橋クルーズ他の旅にご一緒いただき有難うございました。2004年に明石海峡大橋をノンステップ路線バスで渡った経験があるのですが、2022年にバス乗り場を訪れ係りの方に伺うと、ステップ(階段)のある高速バスしか運行されていないとのことで車椅子で明石海峡大橋を渡ることは出来ませんでした。
このように車椅子アクセス状況が悪くなるケースも含めて、今回の旅行記もすぐに時代遅れのものになってしまいますが、それでも事前に情報を得れれた分より内容の濃い車椅子の旅を楽しんでいただける可能性があります。オストメイトの旅行者の方はトイレの位置情報を確認いただき、快適な陸と海の旅をお楽しみいただければ、幸いです。
オストメイトの気持ちもわかる
車椅子電車評論家・アシトド松井