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車椅子電車評論家・アシトド松井
2022年暮れ海遊館(天保山ハーバービレッジ)とUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)をJR~路線バス~クルーズ船でめぐりました。今回は車椅子ユーザー2名(内1人は簡易電動車椅子)での旅行です。
ここからの旅行記は2022年著者の訪れたときの状況に基づいています。
今回の旅の行程を略図にしましたので、ご覧ください。
いつものように画面上ではございますが、車いすで行く大阪観光・海遊館・USJの旅をご一緒にお楽しみいただければ幸いです。
京都方面から新大阪駅経由で大阪駅に向かいます
JR京都方面から新大阪駅を経由して大阪駅に向かいます。大阪には新幹線で来られる車椅子利用者の方も多いでしょうから、新大阪のエレベーターの写真をと車窓から狙っていたのですがブレてしまって載せられませんでした。
新大阪駅は新幹線と在来線の乗り継ぎ駅、大阪駅までは淀川を渡って一駅です。
大阪駅に着きました
JR大阪駅・東口側の改札口内には車椅子・オストメイト対応フル規格トイレ(オストメイトの排便・排尿の姿勢に配慮したもの)が男女別にありました。
大阪駅前から天保山行きの大阪シティバスに乗車します。
一般乗客の方が乗り込む前に運転手さんにアピールして座席をたたんでもらって、車椅子スペース2台分を確保してもらいました。都市部の運転手さんは車椅子の乗客が多いためか、対応がスムーズですね。
ノンステップバスで床の一部を引き上げてスロープ板にするタイプのものでした。
新しいタイプの良いノンステップバスでした。同行の車椅子ユーザーによると、地方のバス会社は旧タイプの車椅子対応バス(ワンステップ・スロープ付きなど)を中古で購入するため、なかなか使い勝手の良い新型のノンステップ・バス導入には至らないそうです。
運転手さんに海遊館にいくのなら、天保山の一つ手前の手前の天保山ハーバービレッジのバス停で降りることをすすめていただいたのですが、終点まで乗った方が車椅子では降り易いのではと考え、天保山まで行くことに。車窓からは大阪メトロ中央線の電車が見えます。
天保山のバス停は、海遊館のある天保山ハーバービレッジからは距離があり、車椅子で大観覧車ちかくにある天保山ハーバービレッジのバス停近くまで戻ることに。道路を渡らなかったりと大変でした、人の話は聞くものです。
天保山ハーバービレッジ(海遊館や大観覧車がある)につきました
左側に海遊館(巨大水族館)、右側にレストラン・お土産物店・レゴランドなどのはいったマーケットプレースが写っています。写真中央エスカレーターの横にエレベーターがあります。開業当時ここには車椅子対応エスカレーターしかなく、係りの方に切り替えてもらうと音楽が流れてきて、まるでアトラクション気分でした。
マーケットプレース2階に(正面入り口が2階・1階は駐車場)車椅子・オストメイト簡易対応トイレ(パウチ内の汚物を流す水道が付いている)がありました。
マーケットプレース内の食堂で海鮮丼ぶりをいただきました。
マーケットプレース内に昭和40年前後の大阪の下町・駅前商店街を再現した食堂街がありました。こちらで食事をとるのもなかなか楽しそう。
天保山大観覧車に車椅子のみ介助者無しでの利用を申し出ます
この観覧車は開業当時は車椅子利用者単独での利用を認めて下さっていたのですが、何か問題があったのか、いつしかチケット売り場の前に「車椅子利用者の方は、介助者同伴でないと利用できません」との案内板が設置され、通常・車椅子で単独行動している著者は長い期間、乗れなくなっていました。天保山に来るたびに売り場の人に確認していました。
ところが、今回は案内板が撤去されていて、車椅子単独でも利用してよいとのこと。チケット売り場の方に過去の経緯を説明して確認を取ってもらったところ、やはり利用可能になっているとのことでした。ゴンドラのうち3台が車椅子対応のもので、1人が座席に乗り移り車椅子を外に預けると申し出て、2人とも同じゴンドラに乗せてもらえました。あきらめず何回も来てみるものですね、めでたし、めでたし。
チケット売り場は2階、乗り場の3階まではエレベーターが利用できました。
大阪の街や、対岸のUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)が良く見えました。
低い山で有名な天保山(右側)と対岸のJR桜島駅近くにわたる船の乗り場が見えます。私は以前にこの船に乗ったことがあり、手動車椅子の方を桜島方面から案内したことがあるのですが、乗り場までの堤防があまりに急勾配でひんしゅくをかってしまい、乗船を断念した経験があります。
海遊館(巨大水族館)にたどりついたのですが
海遊館をバックに記念写真をとってもらったのですが、ここまでノンビリした旅を続けてきて、時間を費やしてしまったことと、旅費の問題で今回は海遊館内部の見学は断念しました。それでは海遊館のレポートにならないので、2009年(平成21年)に車椅子ユーザー3人で海遊館を訪れた記事が、アシトドのホームページにございますので、こちらをご覧いただければ、海遊館内部の様子がわかっていただけると思います。
http://kurumaisu.iinaa.net/tenpouzannotabi001.htm
ここで天保山ハーバービレッジの位置確認を現地案内図にて
海遊館前の広場は2階にあり、USJに行くクルーズ船「キャプテンライン」に乗るためには1階の海遊館西はとばに降りなければなりません。海遊館裏側にスロープ通路があったのですが、転倒の危険があると同行の手動車椅子ユーザーが嫌がったので、エレベーターを使い駐車場を通って乗り場に行くことに。
ところが1階駐車場は自動車に乗ってきた車椅子利用者を前提として設計されていたようで車椅子対応トイレ(オストメイトは無し)があったものの外部への歩道は狭くて急勾配、警備員さんの助けをかりて、外側の公道から大きく迂回してクルーズ船「キャプテンライン」乗り場のある海遊館西はとばにたどり着きました。
キャプテンラインの近くの乗り場に接岸するため大阪港を周遊する観光船「サンタマリア号」が海遊館西はとばにやってきましたので見に行きました。
この船にも以前に乗ったことがあるのですが、スロープ通路で乗船できるようになっていました。運行会社の方に伺うと船室に入るためには介助が必要で、車椅子で船室に入ったら下船まではそのままでいてほしいとのことでした。
クルーズ船「キャプテンライン」に乗ってUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に渡ります
乗り場は浮桟橋でしたので、多少の坂があったものの介助を受けて乗船できました。なお運行時間については日によって変わるようで、ホームページで確認してくださいとの案内を受けました。
最初は乗り込んだ近くの船内にいたのですが、先頭の座席が少なくなっていて、車椅子スペースみたいになっていたことと、1階に乗り込むお客さんが少なかったので、船の先頭の席でマニアかぶりつきで、大阪港クルーズを楽しみました。
海遊館西はとばを出港、天保山ハーバービレッジを後にします。
クルーズ船「キャプテンライン」は10分間の船旅で、対岸のユニバーサルシティポート(USJの最寄りの港)に着きました。
スロープ板を船員さんに押し上げてもらいました。ありがとうございます。
ユニバーサルシティポートは車椅子でも乗り降りしやすい、港だとわかってもらえるでしょうか?
この日は平日だったのに大阪の人気の観光地、海遊館とUSJをむすぶクルーズ船は人気スポットのようですね。
ユニバーサルシティポートからJRの駅やUSJに行くためには長い坂道を上らなければなりません。観光客がみんな上ってしまうまでに介助を頼めばよかった?!
坂道を上がるとようやくJRユニバーサルシティ駅にたどり着きました。
ユニバーサル・シティウオーク大阪の横を通ってUSJに向かいます
JRユニバーサルシティ駅からUSJまでには、ユニバーサル・シティウオーク大阪という飲食街の入った商業施設があります。後ほどここで夕食をとりました。
定番の撮影ポイントで観光客の方に写真を撮ってもらえました。
チケット売り場近くのゲストサービスの横に車椅子・オストメイト対応フル規格トイレ(オストメイトの排便・排尿の姿勢に配慮したもの)がありました。コスプレの際の着替えなどに使う方がおられるらしく注意書きがされていました。
ゲストサービスでいただいた案内マップによると、車椅子に対応したトイレはパーク内随所にあるものの、オストメイトに対応したものは、あとはテーマパーク奥のミニオンパーク近くに一か所あるだけで、著者は利用していませんので形態は確認できていません。
ユニバーサルスタジオジャパンに入ります
エントランス(入場ゲート)で手荷物検査を受けるのですが、著者はいつもバルーンで引っかかってしまいます。
USJは歩道と車道?がハッキリわかれていて、スロープ状に段差解消されている場所で上り下りする必要があります。
ハロウィンが終わって、クリスマスへの切り替え時期に来たためか、休演している施設が多かったのですが、平日にもかかわらず大勢の来園者でした。
完全に出遅れましたね!もっと早くから陣取っておかないと見られませんよ。
暗くなってきたので巨大クリスマスツリーを見に行きました。音楽にあわせて次々と色が変わり、周囲の建物にはプロジェクションマッピングが行われており幻想的な雰囲気でした。ホワイトクリスマスとゆきたかったのですが、小雨が降ってきました。
急遽、エントランス(入場ゲート)に戻ろうとしていると、通りかかった劇場型アトラクションの最終公演時間。クルーの方に相談すると車椅子スペース2席分が空いているということで入れてもらうことが出来ました。
今回、ライド型アトラクションへの乗り換えが困難で、かつ付き添い者のない車椅子ユーザー2名のみでの来園でしたので、ライドの紹介はできませんでした。USJ開園当時は私もライドへの乗り換えが出来たことと、付き添い者と来ることが多かったこと、また緊急時の対応(付き添い者の介助のみで避難すること)もそれほど厳しく言われていなかったことなどがあり、多くのアトラクションを楽しめたのですが、車椅子単独で来ると楽しめるアトラクションがずいぶん制限されているなあという印象を持っています。
なお車椅子ユーザーが利用できるアトラクションとその条件については、ライダーズガイド(ゲストサービスでもらえました)やWEBサイトに掲載されていました。
だれか私を介助してUSJにつれてって!
JRユニバーサルシティ駅に戻ってきました
小雨の中JRゆめ咲線・ユニバーサルシティ駅にたどり着きました。
JRユニバーサルシティ駅はエレベーター完備、改札口内に車椅子・オストメイト簡易対応(パウチ内の汚物を流す水道がついているだけ)がありました。
JRゆめ咲線には西九条駅発着のものと、環状線に乗り入れてそのまま大阪駅方面に向かう電車がありました。乗り換えは面倒なので大阪駅に直通で行く列車を待つことに。
平日でしたので途中の駅から会社勤め帰りの方でけっこう混みました。
JR大阪駅に着きました、ここから新大阪・京都方面への電車に乗り換えます。
この旅行記は2022年の状況に基づいています。
車椅子やオストメイトの情報をできる限り盛り込んだため長い旅行記になりましたが、最後までお付き合いいただき有難うございました。
海遊館内部やUSJのアトラクションのレポートは充分には出来ませんでしたが、大阪でこのような車椅子旅行が可能になっていることをご案内できていれば、嬉しく思います。
路線バスに乗ったり、クルーズ船に乗ったりとずいぶん回り道をしましたが、USJに行くのみなら、新大阪~大阪~ユニバーサルシィと乗り継げばすぐにつきますので、お間違えのないようにね。
介助してくれる人が来てくれたらUSJを再度を訪れて、ライド型アトラクションの体験記をご紹介できればと思っています。またよろしくお願いいたします。
特典映像
(設置されていたJR大阪駅の荷物用エレベーター)
撮影年月日が分からなくなっていますが、国鉄の特急色(JRになってからも使われていた)の大阪発・金沢行きの特急「雷鳥」が写っていますので、鉄道好きの方にはわかるかもしれませんね。JR大阪駅ホームの西の端に荷物用エレベーターありましたが、環状線ホームには設置されていませんでした。
私の使う路線には上下エスカレーター(車いす対応ではなく一般のもの)があり、荷物用エレベーターを使いたいと申し出ても、駅員さんが集まり車イスを前後がら介助してあっという間にホームと改札階を上げ下ろして下され、その後一般乗客用エレベーターが設置され、利用する機会はありませんでした。
車窓から単独で利用されている車いす乗客を見た記憶があるのですが、お話をしたわけでもなく利用状況は不明です。
駅エレベーター設置の歴史を研究する車いす総合外出マニア
車椅子電車評論家・アシトド松井