アシカなくてもトドまらず

車椅子で鉄道・路線バス等を使っての旅行を紹介しています。適当なブログから「☞アシトドのブログのメニュー画面へー」をクリックしてくださいね。オストメイト情報もあります。

車椅子で路線バスに乗る

車いすで乗る路線バス

☞アシトドのブログのメニュー画面へ

車椅子電車評論家・アシトド松井

ここからの記事は(公社)全国脊髄損傷者連合発行の「脊損ニュース 2022年6月号」に掲載していただいた内容を加筆修正したものです。

アシカさんトドさんによる対談形式でお楽しみください。

車いすで乗る路線バス

<トド>今回のテーマは「車椅子で乗る路線バス」ですか。1980年ぐらいはバスに乗るなんて夢のまたゆめで、車椅子ユーザーが支援者と共にバスに乗ろうと押しかけて、川崎バスジャツク事件(1977年川崎駅前・川崎バス闘争ともいわれる)も起きましたね。

<アシカ>私も一度だけ大勢の職場の仲間(健常者)に上げてもらって1993年に一般のツーステップバスに乗せてもらった経験がありますが、周りの方が大変で2度と乗ろうとは思はなかった。その後、1994年に年に京都市で2路線だけ運行されていたリフト付き路線バスに上司の結婚式に出席する際利用する機会が訪れ、JRと京都市営地下鉄・阪急と乗り継いで乗り行った経験があります。リフト付き路線バスの運行本数が少なくまた当時の私は手動車椅子利用で折りたためたため、帰りは知人の自動車に乗せてもらいました。

 

今日でも多数運行されているツーステップ路線バス、車いすマークがついているのは何でだろう?(2023年撮影)

ツーステップ路線バス(2023年撮影)

<トド>ところで小型のコミュニテイバスなどは別として、最近リフト付きの路線バスをみることが少なくなったですね。

<アシカ>リフト付きバスは故障が多かったですからねえ。大型の電動車椅子を頻繁に昇降させるのには無理があったのかもしれません。また、ベビーカーや足が弱くて階段を上がることが困難な車椅子以外の移動弱者に対応できなかったことも、一因かもしれません。導入当時は2段のステップがリフトに変わり車椅子を乗せる様子が衝撃的で、周囲の方が集まってきたりしました。(写真下・大阪市内にて1996年撮影)

階段がリフトに変わり路線バスに乗車するようす(1996年大阪市内にて)

<トド>スロープ付きの車椅子対応バスにはワンステップとノンステップのものがありますね。

<アシカ>ところが世の中はツーステップ(二段段差がある)のスロープ付き路線バスなんていうのもありましたよ。(写真下・千葉市にて2003年撮影)

千葉市で運行されていたスロープ付き連接バス(2003年撮影)

<トド>連節バスですか、バス自体も長いですね。それにツーステップ(二段段差がある)だからスロープ板も長くて急こう配ですね。ワンテツプ・スロープ付きバスでも急こう配になるので評判が悪いのに、これにはまいりましたね。

<アシカ>バスの後部に「全長18メートル追い越し注意」と表示されていました。それに合わせたわけではないのでしょうが、スロープ板も長い。バス会社の方二人で押し上げてもらいましたよ。

ツーステップ路線バスのスロープ板を使って乗降(2003年撮影)

最近、連節バスもノンステップタイプのものが運行されています。

ノンステップ連節路線バス(2022年 神戸市内にて撮影)

 

<トド>ところで以前は外国製の小型ノンステップバスがおおかったのですが、最近は「ポンチョ」といわれる国産車におきかわってきましたね。

<アシカ>外国製のの小型ノンステップバスといえばクセニツシティ・ハンディキャブや、オム二ノーバ・マルチライダーがそうですね。近年は、日野ポンチョが一般的になりましたが、外国製の小型ノンスステップバスが2000年代初頭の日本の小型コミュニテイバスのバリアフリー化に貢献したことは確かです。特にハンディキャブは楽しい小型ノンスプバスでした。

<トド>それはどんなところがですか?

<アシカ>ハンディキャブは埼玉県の蕨市で乗ったことがあるのですが、フルニーリングといって、側面のドアにと後ろ側の扉にも傾く事ができスロープ板で乗れたのですよ。簿記でいうところの後入れ先出法ですよ。車椅子ユーザーが後ろから乗って前方側面から降りる、写真で分かるように後部の扉は接地しているという状況です

埼玉県蕨市に走っていたハンディキャブ・平成14年(2002年)撮影  

後ろからも横からも車椅子で乗れる路線バス「ハンディキャブ」

<トド>確かに乗るのが楽しくなる小型ノンステップバスですね、マルチライダーとはどんなバスですか?

<アシカ>こちらも、以前に走っていた写真をみてもらいましょう(下写真)

マルチライダー・(2002年・平成14年撮影)

小型ノンステップバス「マルチライダー」

マルチライダーは側面の扉のみでニーリングが可能でスロープ板をドアにしたから引き出すタイプのものでした。ところがマルチライダーでヒャリとしたことがありました。

<トド>まさか、スロープから落っこちたのじゃ!

<アシカ>そうではなく、スロープ板を出したままで扉が閉まって走りだしたのですよ。「運転手さんスロープ板がでたままだ!」と叫んで、すぐに停車してもらい大事には至りませんでしたが、通行人にあたっていたら大変でした。そんなこともあってか、近年のノンステップパスには、渡し板を所定の収納庫に入れてロックないとエンジンがかからないタイプのものもあり。運転手さんがそのことをご存じなくって、後続車が連なってしまったなんてことも体験しました。今回は最後にポンチョを見ておきましょう。

ポンチョ・初期の形態(2003年平成15年撮影) 

この板はどうやって使うのかなぁ
初めての車イス乗車希望者に使い方を検討中?

バス停から外れて停車、でも手で置くタイプの渡し板だから電動車椅子も無事に乗車

ポンチョ・現在の形態

展示会に現れたポンチョと自動運転実験に使われているもの

現在のポンチョにはショート、ロングといわれるものがあり、二枚扉のタイプもあります。

<トド>だんだん「車椅子で路線バスに乗る」というテーマから外れて、「バス乗り物図鑑」みたいになってきましたね。

<アシカ>車椅子対応バスの話は尽きないので、資料をまとめて2回目をやりたいですね。

 

路線バスもいっぱい乗ってる総合乗り物マニア

車椅子電車評論家・アシトド松井

 

☞アシトドのブログのメニュー画面へ