アシカなくてもトドまらず

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車いすで紀州鉄道に乗車しました 車椅子でローカル線の旅というより単なる乗り鉄!?

御坊駅から紀州鉄道へ 車窓からのようす(2006年撮影)

(ご注意)この記事は2002年と2006年の体験に基づいています。現在は状況が変わっている可能性があります。

 

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車椅子電車評論家・アシトド松井

 

今回はずいぶん以前の旅行記になりますが、和歌山県御坊市で運行されている、日本で一番短い鉄道路線(のちにその地位を他の鉄道に奪われたらしい)紀州鉄道に車椅子で乗車体験した状況をご紹介したいと思います。結論から申し上げますと、JR線との接続駅で始発の御坊駅から乗車はできたものの、車椅子で降りられる駅は他になく、乗車のままで戻ってきています。ですから公共交通機関バリアフリー状況レポートとよべるものではありません。

「鉄道マニアがローカル線の古いタイプの車両に乗った記事」車いす利用者バージョンといった内容になっていますので、予めご了承くださいね。

 

あまりにも車いす鉄道マニア」な旅行計画に同行介助者を引き受けて下さる方が見つけられず、介助の駅員さんにも撮影をお願いできませんでしたので、車いすで来たよという写真がありません。でも車椅子での単独旅行です。

 

それでも私を疑うのか!私の目を見て話せ、うそをついているようにみえるか。

そういうやつが一番怪しいョ!

 

2002年紀州鉄道の旅

最初に紀州鉄道へのホームにたどり着いたのは2002年のことでした。手動車椅子(自動車に乗るとき)と簡易電動車椅子の併用生活を始めた私は、長距離移動に自信を持ち、御坊駅よりさらに南にあるJR紀伊田辺駅(事前にスロープ通路があることを確認済み)からナショナルトラスト運動の発祥の地としても有名な天神崎をめぐり、帰りの電車で同じホームとなる紀州鉄道への乗り換え乗車を行う旅行計画に着手しました。

 

天神崎(和歌山県田辺市)を電動車椅子でめぐる

天神崎の風景(2002年撮影)

 

天神崎で見つけた車いす対応トイレ(2002年当時)

 

天神崎周辺のようすとJR紀伊田辺駅のスロープ通路(2002年当時)

ホームページを作っていた頃の小さな画像データしか残っていませんでしたので見づらい写真ですみません。(当時は電話回線を使っていたので、大きな画像データ処理にはすごく時間がかかりました)赤い☐の写真は天神崎周回の通路にあった車椅子対応トイレと釣り客でにぎわう、天神崎への堤防。青い☐はJR紀伊田辺駅の線路横断型スロープ通路で、車いすで使わせてもらえました。

 

JR御坊駅に折り返して到着

御坊駅では予想通り階段を担ぎ上げてもらう以外ホームを移動する手段はありませんでした。(2002年当時の状況)

 

ところが私が降ろしてもらったJR線の1番乗り場と同じホームの反対側0番線に停車していた、紀州鉄道レールバスタイプとおもわれる車両には幅の広い2段の階段があり、準備して頂いたスロープ板がとどかない。

 

渡し板がとどかず乗車をあきらめたレールバスタイプの紀州鉄道車両

渡し板が車両にとどかす(2002年体験)

①簡易電動車椅子とはいえ、それなりの重量があること

②介助に来て下さった駅員さんが少数であつたこと

③そして私が「物わかりの良い社会の理想的障害者」をめざしていたこと

などの諸般の事情にかんがみ、紀州鉄道への乗車を断念し次の和歌山方面への列車で戻ることにしました。

 

4年の月日が流れ再び車椅子での紀州鉄道乗車を試みます。

2006年紀州鉄道の旅 なんかSF映画のタイトルみたいだね!

JR御坊駅にリフトという未確認情報が入って来たので、とりあえず行ってみることにしました。現地にいってみると正式には段差解消機という名称でした。

JR御坊駅紀伊田辺方向のホーム端へ

 

ホーム端から段差解消機にのって跨線路で反対側へ

車いす用の跨線路を渡るためのリフト(段差解消機)

 

 

跨線路そして段差解消機で紀州鉄道乗り場へ

 

 

紀州鉄道の車両が入ってきました

 

紀州鉄道

ヘッドマークで番号がよく見えないのですがキハ600系気動車のようです。

理由は分からないのですが2023年の時点で紀州鉄道乗り場の0番ホームは低くなっており、スロープ状の通路で改札口へ、JR線の1番乗り場との間に柵が設けられているようです。

 

 

 

JR側が持っていたスロープ板で車内へ

渡し板の先の部分が狭くなっているのは、車いす利用者の乗車を想定していなかった当時につくられた旧型の特急車両(この区間だと特急くろしお)の扉の幅に合わせたためで、石川県のJR小松駅では駅員さんの努力にも関わらず、車いすユーザーを特急車両(特急雷鳥と思われる)に物理的(扉にくらべて車椅子の幅が広かった)に乗せられなかったという話を伺いました。

 

 

車いす紀州鉄道に乗り込みました

段のある車両と車内のようす

車両にはステップがありました。車内のレトロな照明施設が印象的。

 

紀州鉄道は単線区間をJR線と別れ、西御坊駅に向かい出発です

西御坊駅(街の中心地らしい)にむけて出発です



紀州鉄道の車窓から

住宅地の中を走っているんだ。

 

すでに運行を終えているキハ604系車両と駅のホームの段差

車両自体にステップ(車内段差)があり、車椅子で降りてみようという気持ちにはなれませんでした。

 

 

JR御坊駅紀州鉄道の始発駅)に戻ってきました

御坊駅に戻ってきました

紀州鉄道の運転手さん、そしてJR御坊駅の駅員さんが協力して渡し板を設置して下さいました。

途中に車椅子で降りられる駅が見つけられなかったのは大変残念でした。

とかいってあんた「乗り鉄」だから結構楽しんでいたみたいょ。

 

JR御坊駅の外に出てみました。

訪れた当時のJR御坊駅の正面には階段しかなく、内部でつながっている隣の建物のヒッソリスロープ通路から外に出られました。

JR御坊駅 車いすは写真右側のスロープ利用でした

 

御坊駅前のバス停には御坊南海バスと表示された低床バス(ワンステップ・スロープ付きと思われる)とノンステップバスが停車していました。乗ってみたいという衝動にかられるのですが、事前に地理的な状況を調べて来なかったので、これ以上の旅は断念しました。

御坊駅バス停の車椅子対応路線バス

 

近年、地方都市や人口減少地域ではバス路線の廃止が続いており、御坊周辺地域の状況も変わっているかもしれません。脊髄損傷レベルの自動車を運転して外出される車椅子ユーザー仲間には危機感がないかもしれませんが、このことは自動車が運転できなくなれば病院や買い物に行けなくなることを意味していますよ。

その後2013年、JR紀伊田辺駅・JR御坊駅共にエレベーターが設置されているのを車窓から確認していますので、線路横断型スロープ通路や段差解消機を利用することは無いと思われます。

 

実は2001年にも紀伊田辺駅からの折り返しアクセスを計画して挫折しています

2001年に旧式の特急くろしおのデッキに乗せてもらって、私は天神崎の最寄り駅「紀伊田辺」をめざして、阪和線を南下するものの、天王寺を過ぎてしばらくしてから、人工肛門にとりつけたパウチ(袋)が異常に膨らみはじめ、ついに大量のお漏らし。JR和歌山駅で降りてホーム端の車いす対応トイレに入って「呼び出しスイッチ」を押す。JRの社員さんに宿直勤務の方のズボンを分けてもらって、Г運國祭」状態で、列車を乗り継いで帰宅した苦い経験があります。車内に車椅子対応トイレと言わないが、せめて車いすから足を伸ばしてパウチ(袋)を早期に、頻繁に交換できる広さがあれば、立て直すことが出きたのに~。

 

 

ローカル線に乗るために3度も挑戦しているのに誰にも褒めてもらえない

車椅子電車評論家・アシトド松井

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