アシカなくてもトドまらず

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車椅子ユーザーの路線バス利用時の諸問題

①渡し板のほうがバス停の状況に応じた対応がれきるかも?
②狭いバス停で車いすでの順番待ちはうまくできるの?
車いす3台(写しているのも車椅子ユーザー)にベビーカーも来たょ、はたして顛末は?

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車椅子電車評論家・アシトド松井

 

今回のテーマは「車椅子ユーザーの路線バス利用時の諸問題」です。私が長年・車いす(当初は手動車椅子・弱ってからは簡易電動車椅子でリフト付き・ワンステップスロープ付き・ノンステップバス等、車椅子対応バス乗車時に起こった出来事を箇条書き形式でご紹介したく思います。

 

(ご注意)ここからの記事は1994年以降、全国各地の車椅子対応路線バスに乗り続けている著者の実体験に基づいています。今となっては昔話もございます。

 

全国各地の路線バスで車椅子ユーザーがさまざまな理由で、乗車拒否やトラブルになったという情報が入ってきますが、私には幸い話せるという残存能力があり、言語障害もないので、トラブルになりそうなときは現場で運転手さんと交渉・説得しては乗せてもらっています。でもこんなケースも体験しています。ご紹介いたしますね。

 

(1)乗車拒否にあいそうになった

①運転手さんから今後は事前に予約の連絡を入れていくようにと何度もいわれた。

結果的に乗せてもらえたものの、さすがの私も落ち込んでしまい、それを知った家族がバス会社に抗議。私あてに担当者から電話がかかってきたので、「役所からの通達や社内マニュアルでこのような対応になっているのですか?」と伺うと、わからないとのこと。「では質問書に答えてください」と準備をはじめるうち、私が出かけている間に自宅に謝りに来られたとのことで、家族からこれ以上事を荒立てるなといわれて、終わってしまいました。

②乗車拒否になりそうになったら他の乗客の方が説得してくださった。

数度経験があるのですが、バスに乗ろうとしたら「予約してなければだめだ」とか「鉄道を使った方がべんりだよ」等と乗車拒否にあいそうに。そうしたら他の乗客の方が怒りだして、「なんで乗せてあげられないのだ」ということになって乗車できました。

 

(2)運転手さんが車椅子対応バスの扱い方をご存じない

①手で引き出すスロープ板の出し方がわからなかったり、かたくて出せなかったり

ローカル線の乗車体験旅行で車椅子ユーザー2名と介助者1名で、山間の終着駅に降りる。ワンステップスロープ付き路線バスが止まっていたので、同じ鉄道路線を戻るのもつまらないので、予定を変更して乗ってみることに。ところが運転手さんが車椅子ユーザーを乗せた経験が無いらしく(私は話の内容からこのバスが車椅子に対応したものということもご存じなかったと感じました)、車いすユーザー2人がかりでスロープ板の出し方、セッティング方法を説明するもこのバス、導入当初から一度もスロープ板を出したことが無いらしく、かたくてなかなか板を出せない。一部出てきたスロープ板を私自身も引っ張ってみたものだから、手は油でよごれ、運転手さんと共にスロープ板に積もっていたホコリをかぶってようやく乗車できました。ご苦労様でした。

写真はイメージです

本当かな?

②運転手さんが、他の運転手さん達の指導をうけるも動揺が隠せない

車椅子対応バスが定期運行されると宣伝されていた路線バスに、車椅子ユーザー2名で新幹線を使って乗りに来たのですが、運転手さんから「予約がないから乗せられない」といわれてしまいます。それを聞いたバスターミナルにいた数人の他の運転手さん達がスロープ板の出し方・セッティング方法を指導しはじめていただき2名とも無事乗車できました。ところがこの運転手さんプライドが傷ついたのか、降り際に「次は予約してくださいね」の一言が。同乗してくれたもう一人の車椅子ユーザーによると赤信号を見落として交差点を直進されていたらしい。かなり動揺されていたようでした。

 

(3)車椅子対応バスが運行不能なってしまった

①観光地のバスが止まって後続車が連なった

片道1車線の交通量の多い観光地の道で、駅までの戻り道の長さに疲れてしまったので、バス停で休憩、通りかかつたノンステップバスに両手を振ってアピールすると乗せてもらえることに。ところが手で設置していただいたスロープ板を外して車内通路に立てかけたのにバスのエンジンがかからない。私は長年の乗車経験から一部のバスでは、安全のため取り外し式のスロープ板を車内の所定の収納ボックスにかたづけないとエンジンがかけられなくなる設計になっていることを知っていたので、運転手さんにそのことを説明して、試みてもらうものの上手く入らない。私もバスのスロープ板をかたづけた経験はないもので、戸惑ってしまい後続車列が長く連なることになってしまいました。ようやくエンジンがかかり運行再開。駅のバスターミナルに着くと、報告が上がっていたらしくバス会社の方が状況確認に来られていました。

片道1車線の道路で車いすユーザーの乗降のため後続車が連なる悲しい現実

②2度目だから今回は乗せてもらったら運行中止になった

駅からおりて小型のステップリフトバス(バスのステップがリフトにかわるのだが、操作が難しい)に乗ろうと申し出たら、運転手さんから「リフトは使っていないのです」とのご回答。急ぎの用事でもなかったので素直に受け入れ車椅子をこいで目的地へ。

しばらくして別の用事で同じ駅をおりて同じバス会社の小型のステップリフトバスに乗せてほしいと申し出ると前回と同じ回答。今回は集合時間の決まった用事だったので「2回目なので乗せてももらいます」とリフトに切り替えてもらい無事乗車してバスは発車。

こころが目的地に着きリフトで降ろしてもらった後、リフトがステップ(階段)に戻らず運行不能に。運転手さんはあわてて営業所と連絡を取っておられましたが、私にはもうどうする事もできず、また集合時間も迫っていたのでバス停を後にしました。やっぱりリフトでの運行は無理だったようです。

2段のステップがリフトに変わる小型の路線バス(ステップリフトバス)

 

(4)今回のブログのまとめ

都市部を中心に車椅子ユーザーがバス停で待っていれば、無条件でバスに乗れる環境が整いつつあると感じていますが、少なくなったもののトラブルは起こっているようですね。私は車椅子ユーザー自身が多種多様な車椅子対応バスの特性を学んで、ご存じない運転手さんに伝えるべきだと話していたら、他の車椅子ユーザーからひんしゅくをかってしまいました。言語障害がありコミュニケーションの難しい仲間もおられますので、この考え方は無理なようですね。

 

(5)最近の傾向(2023年の時点で)

多様な車いす対応バスに乗務員の方がスロープ設置に戸惑われないよう、反転式スロープ板(下の写真のように床面をスロープ板にする)が提唱されているようです。

反転式スロープ板を設置するようす

私の利用体験から感じているのはバス停が整備されていなかったり、坂道にあるバス停、そして停車位置から外れてしまった場合などは、バスの車体に固定されたスロープ板では対応が難しい場合があると思われます。理想論かもしれませんが「神戸市バス」に見られるような、手で設置する渡し板も乗せておいていただけると助かります。

神戸市バス バス本体からのスロープ板とは別に手で設置する渡し板を備えられています

扉の左側に渡し板が乗せられているのがわかりますか。

 

車いす対応バスも熱心に研究している  たんなる乗り物オタクやないの?

車椅子電車評論家・アシトド松井

 

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