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車椅子電車評論家・アシトド松井
今回は私の車椅子を利用する障害者の外出の概念を変えてしまった出来事について、ご紹介したいと思います。
🟠単独で電動の寝台型車いす利用者の方が路線バスに乗って出かけられました
実は車いす利用者が車いす対応でも路線バスに乗るということは、簡単な事ではありませんでした。私が自身が体験・あるいは情報提供を受けたケースだけでも、下記のようなものがありました。
❶ノンステップバスなのに電動車いすユーザーは単独では乗車させない
北海道であつた事案です、会社独自の規則(ローカル・ルールとでもいうべきか?)だと思われます。
❷車いすユーザーが乗降できるバス停を明確な表示もなく決めてしまっていた
これは私自身の体験です。手動車椅子で急いで先回りしてたどり着いたバス停で、リフト付きバスの運転手さんから「このバス停からは乗せられない」と告げられます。疲れ切っていた私は泣き落としという方法で特別に乗せてもらえたのですが、こちらも会社独自の規則だったようです。
その他は下記のブログも参考にご覧いただければ幸いです。
☞車椅子ユーザーの路線バス利用時の諸問題
こういう実情の中、寝台式車いすの方が路線バスに乗られるようすです。
寝台型車いすの方とは突然の出逢いで、乗られるバスの発車時間も迫っており「写真を撮らせてください」程度の話しかできませんでした。今日は随分改善されたのかもしれませんが撮影当時は「車いす利用者が路線バスにのること」は簡単なことではなく、寝台式という一般の車いすに比べてハードルが高いと考えられるこの方も一度や、二度バス停に出向いただけで乗車が許可されたとは思えません。2席分の車いすスペースが必要でしょうし、2席分のスペースの間に乗客がつかむ柱があるような構造だと乗車は困難でしょう。バス会社と何度も話し合い乗車実験をされたのではないかと推察しています。
バス停で待っていれば車椅子やベビーカーが無条件で乗せてもらえる、そのようなことが実現するまでには先人の数々の苦難克服のつみかさながあったのだと思いますよ。
🟡寝台式車いすを電動で動くように改造され、さらにベンチレーター(人口呼呼吸器)を使用されている方と、駅ビルの百貨店でお逢いしました。
ここまでお話すれば気づく方も大きいと思います。「雨にうたれてみたくて」という作品で知られる佐藤きみよさんです。小さなお子さんを連れておられましたが介護者としての役割を求めるには幼すぎて、ママに百貨店に連れてきてもらったという状況でした。私の地元の自立生活センターの関係者の方からうかがっていてどのような方なのかある程度の知識を持っていたのですが、偶然にお会いできて、のどに空気を送る管を開けておられ、話すときには息が抜けないように指でふさがれて声を出す。という動作をくりかえしてほんのわずかな時間ですがお話しすることが出来、大変なご苦労をのりこえて自立生活をなしえた方なのだと感じました。実際にお目にかかれるとずいぶん印象が変わり、生活実感が伝わりますね。
私はオストメイトでお腹にパウチ(袋)をつけてバルーンもつなげている状態なのですが呼吸器をつけておられる方に比べればお気楽な外出をしていますね。
🟢ミラーをつけて周囲を見えるように工夫した、寝台式車いす利用者の方が介助者とともに地下街を散策ののち、電車に乗って帰って行かれました。
この方も呼吸器をつけておられます。介助の方とも顔見知りですので、ポーズをとってくださいました。
🟣全国車いすアクセスマニア集会に電動の寝台式車いす利用者の方が参加してくださいました。
私は「全国車いすアクセスマニア集会」の主催者側で準備などで忙しくどの様に移動や生活をされているのかと関心を持ったものの、話は聞けませんでした。主催者側の他のメンバーの1人とバリアフリーの活動をされているようです。
「全国車いすアクセスマニア集会」とは、車いす使用者が公共交通を利用して旅行することに、熱意を燃やしているややマニアックな人が、全国各地で開催している自らの体験・研究の成果を発表している会合です
寝台式車いすは、電動に改造して利用者自身が操作しようとする場合、視野が狭かったり、その大きさからコントロールが難しいそうです。
また道路交通法上の位置づけも調べてみたのですが、速度制限など機能に制限を付けて歩行者とされる電動車いすと同様と解釈してよいものか、(私の力量では)明快な回答を見つけられませんでした。
現実に「寝たきり」と思われる状態でも外出されている方がおられます。
あなたもお家で寝たきりしてないでベットでお外に出かけてみませんか?
寝台式車いすを使う前に、玄関がせまくてベットを部屋にいれられなかった
車椅子電車評論家・アシトド松井