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車椅子電車評論家・アシトド松井
2022年末、車椅子利用者2名(1人は手動車椅子利用、もう1人は簡易電動車椅子利用・介助者の同行無し)で京都嵐山を訪れました。
JR京都駅で集合ののち、京都市営地下鉄を京都駅から四条駅まで利用、接続駅である阪急烏丸駅から電車に乗り桂駅で乗り換えて、終点の阪急嵐山駅で下車し渡月橋(嵐山の有名観光スポット)をめざしました。
帰りは嵐電嵐山駅から四条大宮駅まで電車に乗せてもらい、隣接する阪急大宮駅から再び阪急電車に乗車、京都の中心繁華街にある京都河原町駅(以前の駅名は河原町)まで送ってもらいました。
と説明しても地元の方以外は理解できないと思いますので地図にしてみました。
略図ですので全ての駅を記載しているけではありません、また京福とあるのは嵐電の正式社名は京福電気鉄道ですので、そのように表示しています。
今回の旅行ではJR嵯峨嵐山駅や天龍寺への参拝ができませんでしたので、2023年になってから再度おとずれました。下記の文字をクリックしてご覧下さいね。
では今回も旅の起点はJR京都駅、京都タワーの見える烏丸中央口から始めましょう。
この旅行記は2022年の状況に基づいています。
JR京都の改札口を出て京都市営地下鉄京都駅に向かいます。
JR京都駅・地上にある烏丸中央口から出ると、正面に京都タワーが見えます。右側に向かいタクシー乗り場の横を通り抜けると、正面に地下街と地下鉄京都駅に通じるエレベーターがあります。
このエレベーターはデザイン的には周囲と異なりますが、これは先代の京都駅舎の外観に合わせた造られたためです。エレベーターで地下に降りると。
直ぐに、地下鉄京都駅の改札口とホームへのエレベーターが見えます。また改札口反対側の切符売り場の横奥に車椅子・オストメイト対応フル規格トイレがあります。
京都市営地下鉄烏丸線の電車に乗り四条駅に向かいます。
地下鉄四条駅で下車、接続駅である阪急烏丸駅で大阪梅田方面行きの阪急電車に乗り換えます。
地下鉄四条駅と阪急烏丸駅との車椅子でのアクセスは、いったん地上に出て別のビルのエレベーターを使えば乗り継ぐことが出来るのですが、何度も利用している著者ですら迷ってしますことがあります。連絡通路の階段に車椅子昇降機が設けられていますので今回はそちらを利用させてもらいました。エスカルなどと異なり専用レーンが設けられていますので、スムーズに利用できました。
阪急烏丸駅から電車に乗ります。
阪急烏丸駅も地下にある駅です、現在は改札口を入ったところにエレベーターがあります。この駅は長年エレベーターの設置が地盤の理由で困難だったため、車椅子の乗客は、エスカレーターやエスカルを利用していました。阪急さんは早い時期から駅へのエレベーター設置に取り組んでいただいた鉄道会社なのですが、京都中心部の地下駅への設置は、阪急京都河原町駅が平成19年になるなど大変だったようです。
阪急桂駅で、阪急嵐山駅行きの電車に乗り換えます。大阪梅田駅方面から嵐山に向かう場合も同様に桂駅での乗り換えになります。
烏丸駅では車いすスペースのある車両に乗せてもらうことが出来ました。阪急桂駅で下車、エレベーターで嵐山線ホームに移動して、阪急嵐山行きの電車に乗り換えます。
改札口の前を通って反対側のエレベーターを利用、嵐山線ホームの電車に乗ります。駅員さんに伺ったところ、大阪方面からも嵐山への直通運転はなく、桂駅での乗り換えになるそうです。大阪梅田駅の状況つきましたは次回以降のブログでご紹介できると思います。なお桂駅は、著者が1994年に当時2路線しか運行されていなかった、京都市営のリフト付き路線バスに初めて乗車したところで懐かしく思い出されました。
阪急嵐山駅に到着します。
阪急嵐山駅はホームからスロープ状の通路で改札口へ、そして一般の道路に出られました。改札口内に車椅子・オストメイト対応フル規格トイレがありました。観光客の乗降が多い時期には臨時のホームや改札口が使われるようです。
阪急嵐山駅を出発するまえに、車椅子で巡る京都嵐山とその観光ポイント、周辺の鉄道の駅や観光地等の位置を確認しておきましょう。
阪急嵐山駅から嵐山公園・中之島地区を通り渡月橋にむかいます。
嵐山公園・中之島地区に入るためには橋を渡らなけらばならないのですが、割と坂が急ですね。
まずは恒例、多目的トイレチェツク。現地案内図にある2ヶ所をのぞいてみたところ、車椅子対応トイレのみ。早くから車椅子利用者に配慮していた観光地を訪れると、ときどき感じるのですが、オストメイト対応トイレが普及するずいぶん以前に設備が出来てしまっているようです。
日本で初めてオストメイト対応トイレが設置されたのは平成10年(1998年)のこととうかがっています。
中之島地区は露店やお店が多くあり、ここで昼食をとることにしました。15分程度の待ち時間で店内に入れてもらうことが出来、「おでんとうどん」のセットをいただきました。
渡月橋(嵐山のシンボル的な橋)を渡ります
写真をお願いしたら外国人の方でした。食事のメニューも外国語が併記されている所が多く、さすがは国際観光都市京都の嵐山。
橋の対岸(天龍寺側)は交差点での信号待ちの観光客と坂道が急で、車椅子での通行には気を使いました。
嵐山商店街を竹林の小径に向かって車椅子を進めます。
嵐山商店街は渡月橋・嵐電嵐山駅・天龍寺・竹林への入り口がつながっており、観光客の方で混み合う賑やかな通り。歩道が整備されている部分が多いのですが・・・
人が多くて、おまけに石畳の歩道は凸凹があちらこちらに、特に手動車椅子ユーザーの移動は大変でした。
次回のブログで詳細な説明をする予定ですが、嵐電嵐山駅では車椅子・オストメイト対応フル規格トイレがあり、そして天龍寺ではスロープ通路の凹凸が改善され車椅子で拝観しやすくなりました。
竹林の小径への入り口に着きました。
竹林の小径への入り口は余りにも多数の観光客でふさがれており、気付かずに通り過ぎる所でした。入口に人気のお店があるようで、大勢の方が並んでおられました。
嵐山竹林の小径を車椅子で巡ります。
竹林で記念写真を撮ってもらいました。
さらに車椅子を奥に進め野宮神社の横を通り過ぎると
「女性有名タレント2名受難の地」の踏切に差し掛かりました。
通りかかったカップルの男性が、「ここがあの場所だよ」と彼女に説明していました。
線路の隙間にキャスター(車椅子の前輪)を挟まれて、踏切内で立ち往生した経験のある私は、渡るのを諦め写真を撮ってもらっていると。
あれ~後ろの観光客の方、同じことしているよ。 書類送検じゃ!
嵐山商店街の道路に戻ってJR嵯峨嵐山駅に向かいます。
嵐山商店街の道路からJR嵯峨嵐山駅へ行くには細い脇道を通ることになります。案内板を見落とさないように気を付けてくださいね。
JR嵯峨嵐山駅・トロッコ嵐山駅周辺のようす
JR嵯峨野駅とすぐ隣にあるトロッコ嵯峨野駅、そして以前に車椅子障害者団体で利用させてもらった「コミュニティ嵯峨野」、嵐電の最寄り駅である嵐電嵯峨駅についてご案内したいと思います。
トロッコ嵯峨駅からは、嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車に乗車できるのですが、訪れたときは冬季休業(運休)期間でした。トロッコ亀岡駅からトロッコ嵯峨野駅をおずれた時の状況をご紹介しますので、☞の文字をクリックしてご覧くださいね。
JR嵯峨嵐山駅はエレベーター完備、改札口内に車椅子・オストメイト対応フル規格トイレがありました。
JR嵯峨野駅から徒歩1分のところにコミュニティ嵯峨野という施設があります。以前、車椅子ユーザーと介護者の団体で湯豆腐を食べる会合で利用させてもらったことがあるので、行ってみましたがこちらもレストランは休業中、1階の車椅子対応トイレをお借りしました。
なおこの時の車椅子障害者のメンバーには遠方から自動車を自ら運転して参加された方もいたので、嵐山の竹林観光を提案、大勢の車いすユーザーをご案内したのですが、お1人から「こんな竹藪、家の裏にいっぱいあるわ」とのご発言が。
私や田舎者はきらいじゃ!
なおコミュニティ嵯峨野のホテルの名称が変わっていたので運営が別になっているのかもしれませんね。
JR嵯峨野駅前の坂道を下ってゆくと程なく「嵐電嵯峨駅」に着きます。
上下線ともスロープ通路でホームにたどり着け、JR嵯峨野駅からの乗り換えは便利そうですが、無人駅であり行楽客で混んでいる電車に途中から乗ることになるため、車椅子での利用は始発・終着駅である嵐電嵐山駅を利用するほうが無難だと思います。
というわけで、嵐電嵐山駅にむかいます。途中に人気のコロッケ屋さんがあるというので立ち寄りました。
行列をつくって買い求めた観光客の皆さんはお下品にも立ち食い状態。車いす利用者2人はちやんと座って頂きます。
おっちゃんずっと座れてていいなあ!
嵐電嵐山駅から電車に乗り、終点の四条大宮駅をめざします。
嵐電嵐山駅は駅全体が商業エリア化している雰囲気で、構内におみやげ店・飲食店・カフェなどがありました。ホーム奥に足湯施設もあります。エレベーターは確認できず、二階以上の施設は利用できませんでした。
この駅では窓口で申し出ない限り切符販売は行われておらず改札口もありません、全線均一運賃ということで、運賃は降りるときに支払うよう表示されていました。
電車はあまりの混み具合で、一台見送って次の折り返しの電車に乗車したもののすぐに満員になりました。
四条大宮駅につきました。
終着駅の四条大宮駅は頭端式ホームでスロープ状の通路で公道に出られます。以前から車椅子ユーザーの利用が多い路線です。
道路を渡って地下にある阪急大宮駅に向かいます。
乗り換え案内図でエレベーターの位置を確認しましよう。
阪急大宮駅もエレベーター設置が難しかったらしく、一部の車椅子利用者が隣接ビルのエレベーターを使えば京都河原町方面ホームに行けることを知っていたり、エスカルを利用させてもらう時期が長く続きました。地下のホームは相対式のため、現在は行き先によって地上から乗るエレベーターを使い分けるとホームにたどり着けるようです。
北改札口行エレベーターを使って無人改札口へ、ブザーを押すと程無く駅員さんが助けに来てくださいました。
阪急大宮駅から電車にのり京都河原町駅に向かいます。
渡し板を設置していただき、車椅子スペースのある車両に乗せてもらえました。
阪急京都河原町駅に着きました。
この駅も長年エレベーター設置がむずかしく、代わりにエスカルがつけられたときにテレビで放映されたことを覚えています。
JR東日本が大同工業(株)と共同開発してくださったエスカルはなぜかJR西日本の駅での設置は確認できず。近畿地方では阪急電車の駅でしか、利用体験はありません。
現在、阪急河原町駅にはエレベーターとホーム端に車椅子・オストメイト対応フル規格トイレがあります。
電車を降りてホームのあちらこちらの写真を撮っていると、隣のホームのから発車直前の電車の車掌さんが心配して「乗られますか」と声をかけてくださいました。
私は車掌さんや「女の人に優しくされたことがないの」で涙ぐんでしまいました。
改札口のある地下コンコース階をとおって隣接する商業ビルのエレベーターを使い地上へ、京都有数の繁華街「四条河原町」にでました。
なお四条大橋を渡ってすぐのところに京阪祇園四条駅(地下駅)があり、手動車椅子でも乗り換え可能な距離にあります。
新京極通りで夕食をとり、三条京阪駅から京都市営地下鉄に乗車、古都を後にしました。
この旅行記は2022年の状況に基づいています。
多くのことを書き込みすぎて長い車椅子旅行記になりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
年が明けて2023年になってから、再度嵐山を訪れ、JR嵯峨嵐山駅・竹林の小径の奥のようす・天龍寺の曹源池庭園などを巡ることができました。
次回のブログ「車椅子で京都嵐山観光2023年」でさらに詳しくご紹介しますね。
竹林大好きの田舎者
車椅子電車評論家・アシトド松井