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車椅子電車評論家・アシトド松井
今回は車いす旅行仲間内で語られていたことをご紹介します。車いす利用者が施設を出て地域社会に住もうとした時代や、駅にエレベーターが設置され始めたころのお話に思いをはせて読んでいただければ幸いです。
🟩ポチの居場所
(駅の改札口内に設けられている四角の線で囲われているエリアを表す言葉)
駅員さんが渡し板設置の準備や降車駅への連絡のため、車いす乗客に「青い枠内でお待ちください」などと指示される場所を意味する、旅行仲間内の用語。「うろうろしないで、おとなしくここに座って(車いすユーザーだから当然座っている)待っていてね」というような場所を意味します。
車いす利用者待機スペース(通称 ポチの居場所)
ずいぶん前に車いす仲間から伺ったこのような話があります。
車いす利用者が喫茶店に入ろうとしたら、「車いすの方の入店はご遠慮いただいています」とお断りされたそうです。店の中をみるとご主人に連れられたワンちゃんがミルクを舐めさせてもらっている、私たちはお犬様が使えるお店に入ることが許されないの・・・。
そんな話をふと思い出して、僕たちのために駅構内に待合スペースが設けられているのは「ポチなみに権利が向上しているのではないか!」と有りがたく感じてしまいました。
ところが、
車いす数台で行ったら枠内に入りきらないぞ、出たやつはアウトだ。
駅員さんが来るまでトイレに行ったらだめなのかなぁ!
この枠にいなければならない根拠・約款・旅客営業規則?を示せ
文句言いの集まりか!
このようなポスターを見つけましたよ
お願いと言いながら上から目線で指示してる~😭
被害妄想もここまでくるとお手上げじゃ!
🟥駅の「荷物用エレベーター保存活用論」
(少数意見だったようで 要望活動に発展することなく自然消滅)
1990年代中盤ごろから鉄道の駅に一般乗客用エレベーターの設置が各地で実現するようになるのですが、荷物用の物に比べると非常に狭い。当初設置されることの多かった11名乗りのエレベーターで標準タイプの車椅子が2台、乗客の安全のためにエル字の通り抜け型正方形(ホーム上で線路にむかって扉が開かないための配慮・下写真①参照)の物もつくられ車椅子は1台、リクライニング型車椅子は利用できないということも起こりました。当時は階段を担ぎ上げてもらわずに車椅子ユーザーがホームにたどり着けること自体が夢のような出来事で、エレベーターの広さが問題視されることは無かったように記憶しています。
🅰️エル字の通り抜け型正方形エレベーター
🅱️11人乗りの小型エレベーター順番待ちに混み合う駅のホーム
1990年代初めの車椅子障害者団体の駅へのエレベーター設置要望チラシには「エレベーターが設置されればベビーカーの利用者・お年寄り・大きな荷物を持つ人にも便利です」と記載するものもあり、けして車椅子利用者の利益だけを求めたものではなかったのですが、これほどエレベーターを必要とされる多様で大勢の方々が鉄道を利用されるようになるとは、当時は想像できませんでした(エレベーターを設置しても鉄道を利用する車椅子利用者がどれだけいるのか?という疑問の声すら投げかけられていました)。
車いす旅行仲間の話に戻します。 4~5名の車椅子ユーザーで鉄道旅行することが多かったので11名乗りのエレベーターでは全員が利用を終えるまでには時間はかかるし、一般の乗客も待たせてしまう。無理して2台乗ったら出られなくなったことも。そこで残っている「荷物用エレベーターを有効活用してもらえれば、広くつくられているので一度に移動できて便利」という話題になりました。
以前・主要駅に存在した 「荷物用エレベーター」は大勢で乗れました 接続する通路も広いものでした(輸送効率抜群じゃぁ!)。
「荷物用エレベーターは大勢の車いすで利用するとき便利だ」という話を他の車椅子利用仲間にしていたら、「私たちは荷物扱いなの?」という疑問の声があり、うかつにも「社会のお荷物という意味では正しいかも?」と思ってしまいました。
このような反対意見も根強くあり、駅の「荷物用エレベーター保存活用論」は、いつしか忘れ去られることとなりました。
ポチなみとか荷物あつかいとか、歩けなくなり急に社会における立場が変わってしまって、未だに戸惑っているベテラン中途障害者
普段はみんな親切ですけど利害が対立すると容赦なくハンディキャップを突かれることがありますよ!お覚悟めされょ
車椅子電車評論家 アシトド松井
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障害者問題の当事者に突然なることがありますよ
(私も中途障害者で30歳前まで車いす生活とは無縁でした)
🟪交通・労災事故 犯罪被害 病気 天災 戦災 家族の介護 車いすの恋人と結婚 医療的ケア児の親になることも など
🟩そして一般市民(臣民・庶民)の方、さらに障害者が人権を得るのは大変だった。
(参考として)
🔵ヒルコ神話の多様な解釈
🟢母よ!殺すな にえがかれた時代
とういうような話をさせていただいたら、次のような感想をいただきました。
今回の人権学習で自分が思っていた以上に障がい者として差別されている人が歴史の中でもたくさんいることを知りました。車いす生活は、誰にでもなる可能性があり私たちも無縁ではないということをしっかりこころに止めおきたい。